器用貧乏って言葉があるが、周囲から器用貧乏と評されようが、とりあえず、器用貧乏のポジションを獲得するのが、まずは先決。

「あの人は、器用貧乏だよね・・・」って自分が評価されたら、それは確固とした自分のポジションを得たという評価になる。

そんな評価は、自分に対する単なる悪口として聞き流せばいい。

自分の努力の結果、そこまで俺を「憎たらしい人間」として認めてくれたわけだし。

上とか下から、自分が「困った時の○○君」と言われるようになれば、めっけもの。

周囲から嫉妬を受けるのは当然のこと。





ただ、過去に見てて思ったけど、「困った時の○○」の地位を築いたはずの人間でも、世間の動きとの距離感を掴めていないと、単なる「都合のいい道具」にしかならんので、そこんとこは自分の力量を見極めておかんと。

調子に乗って、「俺は会社にとって大事な人間だ」と勘違いしてしまうと、いざと言う時にあっさり切られて。

会社から切られた時に、「ああ、そうですか、こっちにはこっちの考えがありますけど・・・」って開き直れないようじゃ、全然、ダメ。

そういう可能性も想定しておいて、組織の歯車を演じておかないとダメ。

96年に俺が支店から本社に異動した時、異動した部署の後輩と、経理の奴らが結託して俺をイジメ倒した。
営業から戻った俺が、まともに伝票が書けないこととか、くだらねー小さな話を、さも金科玉条みたいにしてさ。
「そんなの知るか!」ってブチギレても、向こうの思う壺なんで、怒りを堪えて「教えてください」っていう姿勢を見せるように努力してた。

なんだかんだ、ひどい目に遭いつつも、当初は、「こんな次元の低いところからスタートしなければいけないのかよ?この先が思いやられるなぁ」と懸念してたが、彼らの金科玉条が実は大したことないと見切るまでマスターしてしまえば、もうこっちのもんだった。

彼らが、30過ぎでリストラされる時にも、こっちは、なんも問題なかった。

経理の奴も、支店の経理に出されて、そこで「現場の営業マン」に嫌われて、彼の風俗通いがどうとかと、くだらねえ噂を流されて追われるように会社を辞めてった。

所詮、そんな程度のもんなんだって。

邪魔者が減ったところで、あと俺は、直接の上司の馬鹿野郎と戦うだけ。

彼の言いがかりには、大分、俺も苦労して譲歩したが、そんな不毛なやり取りの繰り返しが、俺を怪物に育てた。

向こうの意見も入れつつ、こっちの思惑をさらっと盛り込んで、「組織としての落としどころ」を考えるようになったし。

思えば、俺は、すげーレベルの低い場所から這い上がってきたと思うわ。