ブラック企業

そんなに知ってるわけじゃない。

俺のいた前の会社くらいしか知らない。

何を以ってブラック企業と言うのか。

その定義は?

世間ではブラックという認識でも、働き口があるだけマシだと思って働いてる人はいる。

これだけブラック企業という言葉が認知されてんのに、一向に学術的な分析がなされない日本の学会もどうなのか?と思う。
労働法やらの法律の大家もいるんだろうし、福祉に意識の高いはずの政治家も大勢いるはずなのに。
学者も机上の学問に終始してるってことだろう。
マスコミも、スポンサーの都合の悪いをことを書けねえ腰抜け。


歌舞伎町にも、吉原にも調査に行かず、何をか言わんや。

若い頃にあっちこっちの土地でセールスマンをやった体験から言えば、当時でも想像を絶する貧困層の人々はいた。

「こんにちわ~♪」って玄関を開けたら、いきなり覚せい剤の注射打ってる光景とか、欠けたドンブリ茶碗で一家で飯を食ってる家庭とかの光景を見た。

そんな家に行っても商売にならないのは百も承知で俺も行ってる。
正直なところは、別に百も承知じゃなかったから、「見た目で判断したら、いかんよな」って若者の純な思い込みで、満遍なく飛び込み営業をやって自分の目で見て知っただけ。
新興宗教にハマってるオバさんとかの相手してたら、手かざしとかされて勧誘されたりなんか、いくらでもある。
興味本位で、天理教やら真光やら神慈秀明会やらの道場まで飛び込んでみた。
信者の人らは、基本、そんなに悪い人じゃないので、別にひどい扱いはされなかった。
風俗のお店だって、飛び込んでいった。
なんやかんや風俗店の店長とかやってる人だって、いきなり俺みたいな「株で金儲けしませんか?」っていう営業マンが飛び込んでくりゃ、「俺も金儲けしたいのは山々だけど、残念ながら、その余裕はありませんよ」っていった感じの、ごく普通の人が見せる反応と同じで、「出てけ、この野郎!」っていう態度ではなかった。
歌舞伎町の違法DVDの店では、怖い人に罵声を浴びせられもしたが。

戻って

見るからに貧しい家庭であるのが分かる家の娘さんに、「お兄さん、頑張ってね」って言われたのは、今でも覚えている。
あれは埼玉のほうだったか。
最初、ただの掘っ立て小屋というか、農機具でも仕舞ってる作業小屋かと思って、そろそろっと入ってったら、実は人が住んでて、「家の人に見つかってのに、ここで引き返す訳にもいかんな」と思って、一応、セールストークをした。
もちろん、既に平成時代なのだが、昭和30年代でも、あの貧しさはないと思う。
家族が住んでる家の状況を目の当たりにしながら、それに気づかないふりして、必死でトークする俺の気持ちもそうだけど、「見りゃ、わかんだろ」という気持ちを抱えながら俺のトークを聞いてる家族の思いは、いかばかりだったろうかと思う。
俺が必死でセールスするもんだから、「こいつ冷やかしじゃないんだな(何か勘違いはしてんだろうけど)」と思ってくれたみたいで、「せっかく来てもらって悪いけど、うちにはそんなお金はないんだよ」との、お父さんの言葉。
こっちも、粘らないと失礼に当たると思って、分かっていながら、それでも粘ってさ。

フィリピン人の女性に違法営業させてるオーナーんちに行ったこともある。
近くのボロアパートにほとんど裸状態の何人ものフィリピン女性を押し込めて住まわせてた。


そんなことをやってる俺はダメな営業マン。
無駄なことに時間を費やしてるんだもの。

でも、20年経った今になっても、ずっと覚えているから、その経験が、知らず知らずのうちに俺の財産になってるのかもしれない。


人の痛みが分かるとまでは言えないが、少しは社会の底辺を見てるからな。

今週も日本を代表する企業のエリートと会わなきゃいけない。
売上が何兆円だからしい。

なにせ数兆円規模の会社の本社様だかんな、少しは緊張する。

一昨年も売上が数千億円の会社に行ったけど、なんとかうまくやれた。
こんな見窄らしい俺でも、これまでに経験してきたオーラが有るんジャマイカ。

芦屋の豪邸に行って、何千万か、何億かするシャンデリアとかピアノやらフェラーリを見せられても、へ~てだけで、あんま、気持ちが揺れんしな。
興味ないから仕方ない。

俺もずいぶんと経験を積んだもんだ・・・