週刊ダイヤモンドによると、オリンパスは、のれんの償却で300億、株主賠償で2000億以上の負担が生じるらしいな。債務超過で潰れる可能性があるとか。

内部告発者に懲罰人事するような会社だったし、今回の一件で、ガバナンスが機能しない企業体質であることは明白だから、どっかに買収してもらって体質改善したほうがいいのかもな。

一般紙では産経と毎日、あと夕刊紙とスポーツ紙が、暴力団説を唱え続けているようだが、多少でもまともなところは、デマということで無視することにしたみたいだな。
取材能力がないんだろう。
しかし、デマにしちゃタチが悪い。








なぜ、俺はこんなにオリンパスの事件が気になっているかな?って、ふと思った。
最初から、粉飾隠しくせーなって気づいたこともあったけど、心のどっかで、いつかどこかで見た光景という気がしたからかもしれない。
予感が当たって、飛ばしの発覚まで至ったが、この一連の真実が明らかになる過程を知るにつけ、どんどん気分が悪くなる。
それは、これが、オリンパスの損失隠しの物語であると同時に、証券会社の物語の闇の部分に光が当たることになっているからなんだと思う。
山一の飛ばしがどうとか、そんな誰でも知っているような話じゃなく。

おそらく、この事件は、俺が会社に入るずっと前の時代、80年代初頭から物語が語られなければ真実は解き明かせないのではないかという気がする。
高度経済成長、オイルショックと続き、日本が繁栄を着実にした80年代に遡る。
たしか、オリンパスは日本企業の中でも、海外で起債した会社としては一番古い部類になるんじゃなかったかな。
おそらく野村か山一が主幹事で。
多くは転換社債という形で。
いわゆるエクイティファイナンス。
株価さえ上昇基調なら、返済不要で資本に取り込める。
拡大する経済成長、企業の成長に対して、国内じゃなかなか資金集めが難しいところ、海外なら巨額の資金調達が可能ということで、オリンパスをはじめとしたハイテク企業が次々に海外で起債して、その資金を元に、研究開発やら生産拠点を拡大していった。
評価されるオリンパスの内視鏡技術もそうやって生まれたことは誰も言わない。

日本の製造業の会社と証券会社が、手を取り合って世界に羽ばたく、そんな実に幸せな時代。
ところが、プラザ合意後の急激な円高。
でも、ここでも両者は協力し合いながら危機を乗り切る。
だが、ここでバブルの発生する。
それまでは、資金需要に必要なだけ資金調達すれば良かったのだが、バブルが発生して、必要じゃないにも拘わらず資金を調達し、その余った資金で財テクをすることになる。
本業を忘れるほど日本企業はマネーゲームに狂った。
そしてバブル崩壊。

バブル崩壊とは言っても、簿価主義の会計だったこともあるのと、財テクで損しても、証券会社が損失補填をしてくれる・・・はずだった。
時価会計を機に飛ばしに走ったというのは、やや正確性に欠ける。
損失が表に出ると経営責任を取らされるという個人的動機はあるにしても、もう一つの動機として、損失補填問題があったことが忘れられている。

あの頃、損失補填問題で世間は大騒ぎだった。
補填した側だけが一方的に叩かれた。
その姿を見て、補填を受けた側の企業はどう思っていたのだろう。
損失を言い出しかねたのは、それもあったのではないかな?と思うのだけど。
苦しい時も二人三脚でやってきたのに、片一方だけが袋叩きにあっている光景をどんな思いで見ていたのだろうか。
その弱みもあるし、今後も面倒みてもらわなきゃいけないし、製造業にあっては傍流の財務畑が出世できたのは財テクのおかげだし・・・財務畑の人間の心理は複雑

損失補填問題は、当時の証券側の人間たちの人生をも大きく狂わせた。
あの頃までは、証券マンといえども、普通のサラリーマンとして、滅私奉公であくまで組織の中で出世することが最上の価値あることと認識していた。
しかし、その価値観が、あのときから狂い始めた。
上司が事件に連座して会社を去る姿を見て、何かが切れ始める。
政治の混乱もあって、不良債権問題はなかなか片付かず、一向に回復しない株価と経済。
その間、いいように外資にやられ。
おまけに100円を切る円高。
そして総会屋事件。
大勢の逮捕者まで出る事件となった。

長引く不況の影響で山一や長銀が潰れ、どこもかしこも厳しいリストラ。
合併や廃業の繰り返し。
組織は、官僚的で無能で保守的な人間ばかりが幅を利かすようになり。
価値観は崩れ、プライドはずたずた。
そんな中で見たITバブルは、久々に見た眩しい光に見えた。

こうなったら、この今の自分の能力と経験、知識を、自分のため、金儲けのために使ったれ!
と思ったかどうか。