そっかープリンストン債を買ってたんだ。
一世を風靡したんだったよなあ。
首謀者のアームストロングも懲役11年の刑期を終えて、丁度、今年の3月に釈放されてたとはな。
因果なものだ。
記憶がかなり薄れてしまったが、基本は金の先物で運用するっていう話だったような。
捕まる前だったか、後だったか、それと知らずに瀬戸川さんの本を古本屋で立ち読みしたことがあって、「えーっ!あの本の著者なの!?」って驚いた記憶もある。
問題になる前は、散々っぱら、手を変え品を変え「売ってくれ」って、クレスベールやら、エース交易やらが営業に来てた。
プリンストン債を商品ファンドに組み替えて持ってきた時には危うく・・・
接待が半端ないという噂は聞こえていたので、その恩恵に預かって、つい扱ってしまった金融機関も多かったみたいだ。
そのおかげでワールド日栄証券なんか潰れる寸前まで行った。
結局、SBIに吸収されてしまったのも、その影響のせいなんだろう。
なんせ、あんときは、天下のNHKが推奨するかのような特集番組を全国放送したんだもんな。
固有名詞は出さなかったものの、興銀とクレスベールであることは、映像を見たら分かる。
興銀ですらやってると言われれば、その商品を買うなり、商品を取り扱わないと、馬鹿にされそうな勢いだった。
それが、まさか詐欺商品だったとは、後になって分かる話で。
結局、2年以上か、3年くらいは、嘘が発覚しなかった。
国税庁のお墨付きが出ていると、実しやかなセールストークもあったし、なぜか、それを国税庁も否定することなく、2年も3年も放置された。
国税庁がお墨付きを与えているのが事実なのか確認したくても、国税庁は否定も肯定も回答せずに、有耶無耶な態度を取ったものだから、当時のお役所と金融機関のちから関係から、役所の腹の中を推測するしかなかった。
不良債権やら、企業の財テク失敗問題がクローズアップされてた時代だから、「国税庁が明確にノーと言わないということは、おそらくセーフなんだろう」と、多くの企業の財務担当者や金融機関は、都合のいいように解釈するしかなかった。
国税庁お墨付の、政府公認の飛ばし商品を買わない馬鹿はいない。
あの時の政府の怠慢が、今のオリンパス問題につながったわけだ。
阪神の震災といい今回の震災、今回のオリンパスの件といい、因果が巡るのはどういうわけか。
俺は凡庸な社員だったけど、プリンストン債もプリンストンファンドも、目論見書がなくて、ただプレゼン資料と契約書のドラフトだけ見せられて、「どの法人顧客でも億単位で買ってくれる商品を扱わないのは馬鹿だ」と罵られたものだ。
ケイマンだかのタックスヘイブンに設立したペーパーカンパニーを2回ほど絡ませてたので、「結局これって、誰が本当の資産管理会社なの?」って尋ねても、「そんな細かいことはどうでもいいんだ!」って怒鳴られて終わり。
こっちとしては、あーだこーだ言い訳しながら時間稼ぎして、ブームが去るのを待つしか対処法がなかった。
その間、接待されまくってた人らは大変だったろう。
「うちの会社の奴が馬鹿なもんで」と言い訳しなきゃいけない。
たしか、クレスベールの営業の奴らは単なる接待だけじゃなく、財務担当者なんかに「ココだけの話、住宅ローンとかで困ってたらお金貸しますよ。300万くらいなら、返済期限を付けずに私の決裁だけで貸せますから。」とかいう非常にやばい営業トークを使ってるというのも聞こえてた。
後でリベートで財務担当者を釣ってたというのが公になったけど、本人が口を割らない限り有耶無耶だろうから、結局、もらった人らは、もらったもん勝ちになったんじゃないかな。
商社なんかも証券子会社を作ったりして、訳のわかんねえ商品ファンドとか作りまくってた。
あいつら、タックスヘイブンに会社設立するのに、普通は、足を運ぶなんてことはしないはずなのに、親会社から付けられた予算があるからってんで、平気で現地に行ってたからな。
単なるリゾート旅行にしかならないのに、それを名目にして会社の金で南の島に遊びに行ってた。
まあ、ああいうことばかりやってたら頭おかしくなるから、どっかでそのツケを払わせられてはいるんだろうが。