ジョイントコーポレーションが倒産していた。
数年前にビジネスの話があってそんな会社があることを知った。
港区あたりで外国人向けの高級マンションを作っている優良デベロッパーという説明だった。
要は不動産の証券化の話。
高級マンションには縁がないので個人的には興味がなかったし、向こうのノリが鼻についたので断ったが、手を変え品を変えしてアプローチしてきた。
彼らにはノウハウがなかったらしくて、たかが俺らのノウハウを頼ってきた。
まだハシリのころだったし。
でもイグジットとしての証券化(ゴミ箱)があからさますぎて嫌だったし、不動産屋のカルチャーには馴染めなかったので、彼らと組むことについて個人的には強烈に反対した。
箱を作って作ったものをどんどんそこに入れるのはいいが、その先が見えない。
永久にそんなことは続かない。
供給調整を考えないといずれ破綻するように思えた。
でも供給するのは不動産屋で証券会社じゃない。
ジャブジャブと出てくるものを抑えることは不可能。
向こうに主導権のある商売はつまらなく感じた。
今から考えれば、そんな先のことまで心配する必要もなかったのかもしれない。
やってれば少しはうまい汁を吸えたはず。
それにジョイントくらいならまだましなほうだったような気がする。
不動産セクターのアナリストですら、ほとんど理解していない頃の話。
レオパレスも千昌夫がどうとかを知ってる人間がまだ多くて、金融機関がどこも相手にしない時代。
だから俺らのところにきた。
レオパレスは個人的に面白そうに思ったのだが、他の連中に反対された。
たしかに今になっても良からぬ噂がある。
みんな、ちょっと成功すると苦労した時代を忘れるものなのかしら。



そういえば、イチヤも上場廃止。
10年以上前に客に勧めたことがあった。
仕手株になるずっと前の頃。
ちょっと触ってすぐ売ったが。
会社のHPでIRを見たが笑えた。
とても上場企業とは思えない。
むしろ昔俺が触った頃より悲惨な会社に変わってから市場では有名になったらしい。

昔はマリンテクノや日本エーエムや豊国産業やらいろいろ触った。
マニアックな銘柄ばかりやってと言われたものだが、その後俺の知らない間に社名を変えたりして有名になった会社がいくつかある。
有名といっても悪名を轟かせているほうが多いが。
そのひとつ豊国産業は今はアイビーダイワという社名になってるらしい。
烏骨鶏の卵のビジネスをはじめた頃の遠い昔のこと。
そんなこと誰も知らないだろうな。
あんな仕手株になるとは想像もしていなかった。
兼松日産も仕手株になる前に自動釘打機の関係で買った。
ある時点で外資に玉が渡ってから吹いた。
今思うとあの頃から仕手の裏側に外資が登場するようになったような気がする。
住炭もスイスフラン建ワラント主導で吹いた。
たしかGSがロンドンの値付業者だったか。
ああいう連中らは儲けられればそれでいいみたいな感じらしくて。
俺らはさ、誰も目をつけていない銘柄をいち早く探すのが面白くて、仕手戦なんか興味なかった。
信用の取り組みがどうとか分析できないし、仕手集団の動向とか早耳情報とか手に入らないんだもの、古典的な手法しか採りようがなかった。
四季報ぐらいはちゃんと目を通して、稚拙な知識しかないながらも借入金の動きとか大株主の動きとか調べて。
今のデイトレーダーから見たら馬鹿にしか思えないようなやり方だろう。
いまどき証券マンでもそんなことしていない。(当時も少なかったが)
でもああいうのが本来の姿なんじゃないのかな。
なかなか儲からないけどさ。
そういうえば、四季報で全銘柄の外人株主を一つ一つピックアップして、これは何系、あれは何系の資本が入ってるとか調べたこともあった。
埼玉繊維って、今はバナーズっていう名前なのね。
知らなかった。
松佳に社名変更したところまでは知ってたけど。
埼玉繊維はあさひ銀行(旧埼玉銀行)の関係でどうとかさ調べたんだった。
旧埼玉銀行系の銘柄は不良債権処理の関係で当時よく動いてたからさ。
よくわからないような株主名の玉が移動して、また違うよくわからないような名義に変わって。
たしか華僑との紛争とかもあったと思う。


もうやらねえ。
やる必要もねえし。
てか10年以上やってねえ。
あほくさくて。
今じゃロマンもへったくれもねえもの。

今の証券会社は株屋とすら呼べない。
だって株売ってないもの。
昔俺らがやってたような営業は今は誰もしていないだろう。
当時もそんな手間ひまかけて銘柄発掘するなんて効率が悪いと思われてて、銘柄が当たってお客さんを儲けさせてうまく回転しているときは上司は何も文句言なかったが、銘柄がはずれて回転しなくなると上司に怒鳴られまくった。
会社から指示された銘柄や投信さえ売ればいいんだ!。
自分で考えてお客さんに勧めて儲かったときはすごくうれしかったし、損させたときは飯も喉を通らないくらい辛かったが、上からの指示で売りたくもないものを売らされる苦痛に比べれば。
売りたくもないものを売るのは地獄だった。
何も考えなくていいんだったら奴隷と同じだ。
それで上司に抵抗して左遷くらった。
今から10年以上も前の話。
あれで良かったのか悪かったのか・・・
時々思う。

ITバブルは横を通り過ぎていっただけで触れもしなかった。
ライブドアはさすがにうるさいくらいに評論家が宣伝してたから記憶にはある。
いずれ何倍にもなるとか言ってたが、まったく興味がなく。
IPOバブルもくだらないという思いしかなく。
最初からお化粧して上場してくるらしいし。

しかし、儲かるかどうか知らないけど、そんな会社が上場するのは無意味だよ。
社会的価値として無意味。
夢を売るのが証券マンという意識はあったけど、嘘を売るという意識はなかったよ。
少なくとも俺みたいな未熟な証券マンには。
だから離れてしまったのかもしれないけど、いまだに純粋にしか考えていない。
世間からはなんだかんだ言われようが、基本あの頃と何も変わっていない。


投資業は金融業の仕事でメーカーや小売業の仕事じゃない。
そこのところがごちゃ混ぜ。
投資の当たり外れを業績に反映させたらだめだよ。
キャピタルゲインじゃなくインカムゲインは評価すべきだけど。
継続的な事業収益がインカム。
ソフトバンクが店頭公開してきた頃からおかしくなってきたのかもしれない。
あんなんじゃ誰も事業の実態が評価できないよ。

一般にホールディングカンパニーが上場するという今の形はどうなんだろう?
HDの投資の巧拙を評価するようなもんだ。
投資がうまいとか下手だとかを経営手腕として評価する。
経営者も、どんな製品をどう作るか売るかなんて気の遠くなる先のことに頭を悩ますことはないわな。
手っ取り早い方法は何か?しか考えない。
手っ取り早くない方法は悪になる。
みんなで手っ取り早さを競う世の中が現在の状況だ。
だから人も育てない。
学校ですらそうだ。
株券印刷業と揶揄されている上場企業が多数あるが、それが学校なら受験料徴収業と卒業証書印刷業のコンビネーションで成り立ってるみたいな感じなのかな。
入り口と出口しかなくて中身がない。
企業も同じで、入り口と出口だけが重視されている。
中身空っぽ。
サービスの中身は関係なくて耳障りのいい謳い文句があればいい。
中を通過する時間は短ければ短いほどいいし、手間のかからないものほど高評価される。
なにせ時間と手間のことを別名コストと呼んでいるわけだから。
投資家の人らは、コストもかけずにいいものができるとお思いのようで・・・
いい製品、いいサービスを世の中に送り出すのが企業の本貫(本籍地)で、そういう企業を世に送り出したりサポートするのが金融だったりするわけなのに。
その中で株式流通の担い手が証券だったりのはずが、そういう話はどっか行っちまった。

そりゃ従業員も切り捨て、使い捨てられるわけだし、サービスも劣化するわさ。
見栄えの良さと耳障りの良さが勝負、そしてコストは安ければ安いほどいいっていうんだから。
人も育たないわけだよ。
人員はコストだそうな。
普通以下の人間は死んでください。
国も最近はそんな感じ。

それはそれでも、護送船団よろしく国が国民を一定の生活レベルまで運んでくれたのが戦後の政策で、それには感謝しなければならないのかもしれない。
国民同士が奪い合い殺し合いをしなくても生きられるようにしてくれた。
実質的には鎖国政策だったわけだ。
評価されていないけどそれってすごいことだよねもしかして。
米国が自由と平等なんていってるけど、それは米国民に対して保証してるだけで。
税金を納めていればね、が付くけど。
社会的コストというのか、生活するために払うコストである税金そのものの起こりって、よく考えてみれば、やはり昔から安全保障のコストだったんだろうと思う。
時代劇とか歌舞伎の影響のせいで年貢=悪代官みたいなイメージが脳に植えつけられているけど、結局、人間がコミュニティを作って生活するためには税のようなものが必要であり、なぜコミュニティを作るかといえば安全保障の問題があるから。
安全保障とは、一番端的なのは、外敵から生命を守ってもらうものだが、そのほか日常的なものとしては権利の保全がある。
権利の保全というのは、田畑を耕して農作物を作る権利だったり商売をする権利が保証されること、つまり生活権が守られること。
いきなり外からやってきた人間に田畑を奪われたり、商売の邪魔をされたりしないことが、コミュニティの会員の生活権。
生活権の一種が居住権、耕作権や漁業権などの財産権。
そういった権利を誰が保証してくれるのか?
昔であれば殿様だったり君主だったり行政官であるお代官さまであったり庄屋さんという第三者。
第三者に、「これ(税)で私たちを守ってください」というのと、第三者の「これくらい出せば守ってやろう」という合意があって契約が成立しているのが、税のはじまりであり、政(まつりごと)、国のはじまりであろうと思う。
税という制度の事の起こりは別に強制されたわけでもなんでもなく、コミュニティ住民の中から自然発生的にというか、ちゃんとした理屈をもって発生したもので、ことさら不条理な制度というわけではない。
ただ後世の人間にとっては不条理に感じたり割りに合わないと感じたりすることが多い制度ではあるけど、本質的には理にかなった制度で、先祖が馬鹿で無力だったわけではない。
時代を下ってから支配と被支配の関係が生じて、またそのように歴史観で捉えられるし、そう学校やテレビで学ぶから、なんかおかしな制度、不条理な制度として不満に思われてしまう。
要するにみんなが嫌いな権利と義務のお話。
権利と義務の関係の取り決めを法律と呼んでいる。
だから法律を守らない人というのは、どこかの誰かに迷惑をかけている人であったり、広く薄く全体に迷惑をかけている人だから、人間社会の敵ということになるので、これまた第三者の警察官がそういう無法者を取り締まってくれる。
だから悪い人のことを、私たちの権利を脅かす人として無法者(アウトロー)と呼んでいる。
いまさらながら非常に理にかなった言葉だと思う。
ちゃんと税金を納めて、法律を守っている時点で、契約している第三者(支配者)に対して対等の立場に立てるわけだから、無罪の人間が捕まることもないし、追い出されもせず、生活権などの権利が守られる実に理にかなった仕組み。
日本なんか徴兵制のような役務(えきむ)もないんだから、実にいい国だ。
明治時代になるまで徴兵制度がほとんどなかったのだから、基本的には太平洋に浮かぶ楽園の島だったといえるんじゃないか。
外敵自体が少なかったということもあるけど、いざとなってもお侍さんが戦ってくれたもの。
全国にお侍さんという武装集団がいたことで、外国も侵略を躊躇するということで防止にもなっただろう。
幕末になって軍艦や大砲が進化してお侍さんでは防げなくなってしまって明治維新になっていく。
幕府と官軍の争いという観点もあるだろうが、庶民がこれからの時代も自分を守ってくれるのが、最早お侍さんではないことに気づいて、幕府が庶民の支持を受けられなくなったという見方もできる。
昔は選挙権というものはなかったけれども、やはり庶民からの支持というのは大事だっただろう。


今も自民党がどうとか民主党の党首がどうとか騒いでいるが、個人的には小沢さんがどうこうというのもどうでもいい。
ロッキード事件やリクルート事件などもあったが、汚職問題で投票する政党を決めることはない。
若さやクリーンをアピールする候補者もいるが、そういう候補者は心得違いも甚だしいとさえ思っている。
俺は、その時代時代にちゃんと僕らの権利を守ってくれそうな政党に投票するだけ。
問題なのは、政治献金やらが、誰がなんの目的で政治家に渡して、その結果、その政治家がどう動いたのかが問題なんだろ?
国民にプラス、マイナスのどちらのために動いたのか動かなかったのかが知りたい。
どうもそこがグレーのままで判断に困る。


どこかの殺人犯じゃあるまいし政治のせいで自分が不幸になったなどとは思わない。
第一、人の人生に2つしか評価方法がないのか?
安直過ぎる。
自分で自分を不幸と決め付けてしまってはいけない。
普通、幸福と不幸の間で揺れているのが人間だろ?
ただ今はちょっと不幸寄りに居るってだけで。
幸か不幸かを絶対評価するのじゃなくして、「俺、今ちょっと不幸寄り」ぐらいな気持ちの遊びが欲しい。
あとは、逆境には立ち向かうしかない。
改善できるように孤独な戦いを続けるだけ。
普通そうだろ。


話題がどんどんずれていったが、野党もくだらない議論ばかり吹っかけずにちゃんとしろよということ。
政府を批判するだけでは意味がない。
それで政権とっても意味がない。
政権を取った後の話をもっとしてほしい。
ちゃんとしたビジョンがあるのかないのか知らないが。


話題を戻して。
コストは悪なのか?
コストがゼロだったら最高か?
コストこそ、いいものを生み出すための源泉だろ?
みんな頭悪いんじゃないの?
もしコストをかけずに儲けてたら、そのビジネスは疑ったほうがいい。