「すべての人間は生まれながらにして、知らんことを欲す」

アリストテレス   『形而上学』

 

 

 

 

 

 

8分ぐらいだったかな。

 

 

短いから、聞いてしまった。

報道が公平性を持っているとは、初めて知った。

 

 

日本で、特にひどいのはテレビ、次に新聞、週刊誌、

もう最悪なことに、月刊誌まで偏向報道するようになって随分たつ。

 

 

安倍政権の批判ができなかったのだと主張し、

返す刀で、トランプ政権誕生をいて招いてしまったと自戒している。

 

 

非常に、姑息である。

安倍政権は、ちゃんと一般庶民にひどいことをやってあげたではないか。

 

 

原発の再稼働せず、電力自由化をやり、発送電分離までやって、

今、このような電気代の高騰と日本の自然破壊・環境破壊をしてくれた。

 

 

移民をどんどん推進し、女性までわざわざ低賃金で

働かないといけない経済状況を作ってくれたではないか。

 

 

マスメディアが煽り立ててくれたおかげで、

消費税を2度も増税できた。

 

 

CNNでは、安倍政権の「女性活躍社会」を絶賛し、

日本の女性が、低賃金で働くことを称賛していたのではないか。

 

 

そもそも安倍さんにマスメディアの連中は、

豪華な食事を提供され喜び、尻尾を振りまくっていた。

 

 

 

東日本大震災では、原発問題でデマしか流さなかったのは、

ありとあらゆる報道機関に、見られたものだった。

 

 

平気で「嘘」をつき、「ほんとう」のことを伝えない。

これが、報道の在り方だ、報道の公平性だと宣言している。

 

 

大阪となると、もっとひどく、もはや大政翼賛会状態で

常に、維新の大本営発表ばかり伝えている。

 

 

もはやテレビも新聞などの情報媒体は、信頼されなくなっている。

なにか知りたければ、唯一、本を読むしかない。

 

 

筑紫哲也や田原総一朗などが出ていたが、まともな報道をしていたのか。

こぞって、小泉政権誕生させるべく、奔走していたはずである。

 

 

左翼イデオロギーが報道したい、と正直に言えばよい。

「嘘」をつくことを、報道の公平性が保たれているとは言わない。

 

 

トランプ政権が誕生したのは、報道が偏っていたからではない。

「嘘」しかつかないから、その反動形成として生まれたに過ぎない。

 

 

新しい階級闘争―大都市エリートから民主主義を守る

 

マイケル・リンドは、「新しい階級闘争」の第6章で

彼らの手口を紹介しており、そのままだった。

 

 

副題は、「ポピュリスト有権者を悪者扱いする管理者エリートの手口」

 

 

各国の管理者(経営者)エリートは、行ってきたテクノクラート新自由主義革命、

つまり寡頭支配層の悪政に対する、当然の防御反応であると見ていないという。

 

 

むしろナチスやソビエト型の全体主義の復活とみる見方の方が多く、

プーチンのロシア政府が、あらゆる手段を使って欧米の世論を操作、

 

 

ブレクジットや2016年のトランプ政権誕生、

そしてその他の主要な政治的出来事を引き起こしていると語られる。

 

 

 

また外国の手を借りない方法もある。

「権威主義的パーソナリティ」と言われるもので、

 

 

エリートたちは、デマゴーグでそれを引き出している。

ロシア恐怖症とブラウン恐怖症、後者はナチである。

 

 

トランプはファシストで、それを戦う英雄というわけだ。

アンティファは、白人の上流階級という特権階級の子弟で構成され、

 

 

器物を破壊して回り、人びとに対する嫌がらせをし

左翼イデオロギーを悪用しているという。

 

 

いずれにしても上流階級の管理者たちは、窮地に立たされている。

そのために間抜けな有権者には、外国のプロパガンダや

国内のデマが有効だと、どうも固く思いこんでいるようだ。

 

 

 

リンドが最悪だと評するのは、2016年の米大統領選挙である。

トランプが勝ったのはロシアのおかげという神話を作り、

 

 

ナチが台頭してきた時とそっくりだと延々と繰り返し、

政治的挑戦者を締め出し、反体制メディアを検閲する口実を与え、

 

 

政治・経済・メディア権力を独り占めする状態に

近づけてしまっているという。

 

 

 

大衆迎合の右派と社会主義の左派から、選挙という挑戦を受けた時、

彼らが本能的に飛びつく手段、それが検閲と抑圧である。

こうマイケル・リンドは語る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リンドのロシアゲート・スキャンダルの説明では、少々物足りない。

実際に2016年の米大統領選で何が起きたのか。

 

 

伊藤貫さんからの耳学問でしかないが、まとめてみると、

ヒラリーは国務長官時代に、メールのやりとりを全部、自宅で行っていた。

 

 

もちろん違法で、政府のサーバーを使わねばならない。

右翼の連中がベンガジ事件で騒ぎ、ヒラリーのメールを見ようとしてもない。

 

 

6万通以上が、失われてしまって、これはどうなってんだとなり、

ヒラリーのEメール事件が発覚した。

 

 

国務長官の地位を利用して、クリントン財団は外国から

千数百億円を集め、それをFBIはろくに調査もしなかった。

 

 

それどころか証拠隠滅まで許可、調査終了を宣言

けれどもロシア当局がヒラリーの周辺から、メールを盗んでいた。

 

 

そして情報を次々を暴露され、トランプとプーチンが行ったと陰謀論を主張

英国人の名前を借りて、偽のレポートを作成する。

 

 

それをネオコンの大物を夫に持つヌーランドが、FBIと議会に出し

トランプのロシア疑惑に発展していく。

 

 

計12回の法律違反を犯しながら調査をしたが、

でっちあげだったことが判明した。

 

 

かいつまむと、こんな感じ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それなのに、こういう報道を平然と行う。

人をバカにしているにも、程がある。

 

 

 

それにしても、まだ「嘘」がつきたりないとは驚いた。

おまけに、またマルクス主義を再興させようとしている。

 

 

金権寡頭制とマルクス主義の寡頭制は、近似しているが

選挙の洗礼を受けねばならぬため、なかなか無茶な情報の歪め方をするものだ。

 

 

ダニエル・マッカーシーは、「姑息なリベラリズム」と呼んでいる。

新自由主義革命とは、確かに「姑息」と評されるだけのことはある。

 

 

 

Daniel McCarthy , " A New Conservative Agenda:

A Governing Philosophy for tne Twenty-First Century ,"

First Things , March 2019

 

 

米国保守系学術季刊誌モダン・エイジ