中野さんの見解は、

「彼らが封建主義者だからです。」だった。

 

 

池戸万作さんと成田悠輔くん対談番組を分析していて、

これは大問題、困ったなあと悩み続けている。

 

 

実はね、本当に深刻で、哲学にあるんです。

あらゆる学問は、辿っていけば、哲学に繋がっている。

 

この大元の哲学では、どういうことが起きているか。

ずっと何も起きてないんです。

 

 

これが大問題で、哲学で、強力な「原理」が出てきて、

多くの知識人がだーっと殺到し、学び、理解されると、

 

他の人々に懸命に説明し始め、どんどん伝播して、

世の中は、確実に変わります。

 

「原理」とは、誰もが納得して逆らえないものと思ってください。

一人一票の民主主義、これを否定することができるでしょうか。

 

無政府状態では、人々が殺し合いを始めても止めることができない。

(「万人の万人に対する闘争」ホッブズ)

どうやらやっぱり権力は必要みたいね。

 

じゃあ権力はどうやって決めるの。

王様「王権神授説」から始まって、

一人一票の民主主義になりました。

 

これが、否定できる強力な「原理」があるなら

覆すことができます。

 

 

地方の衰退に歯止めがかかりません。

どんどん人口が流出して、食べていきやすい大都市へ流れ、

これが、問題となっているのに、解決できません。

 

では、地方の人は1人10票、

大都市に住む人は1票にしましょう。

これなら地方の人の意見が、政治に直接反映できる。

 

でもこれは、出来ませんね。

 

 

このように、「原理」には逆らえない。

哲学は、納得ゲームなのです。

 

ゲームのルールを変更したいのなら、

「原理」を新しく生み出すほかない訳です。

 

ひろゆき、や、成田くん・・・のような詭弁家(ソフィスト)が

現れて、議論を吹っかけられても、「原理」があれば

論破(?)とやらはされませんし、できません。

 

 

では、哲学の世界は、どうなっているのか。

 

歴史的な流れを見ていきましょう。

起源は古代ギリシャです。

近代になり、ヘーゲルによって、近代哲学が完成されます。

 

資本主義も始まり暴走し、おかしいじゃないかと人々は不満を

どんどん膨らましていきました。

 

そこにヘーゲル左派のマルクスが登場、

これが「真理」だ、これだ、これだと

賛同者がどんどん増えていきました。

 

しかし、肝心のマルクス主義は、サルトルが

ポスト・モダンによって、打ち取られてしまい、

 

そして現在、現代思想では、ポスト・モダン一色となっています。

ポスト・モダンって一体、なんなのと疑問がわくでしょう。

 

 

ポスト・モダンとは、価値を相対(無効)化するものです。

 

マルクス主義のように、人々を魅了し、

これが「真理」だと思いこまれたモノを無効化するのには、

非常に有効です。

 

その構造は、詭弁術に似ています。

このポスト・モダン(価値の無効化)が、

世の中を支配してしまっていることが、問題なのです。

 

 

例えれば、こんなところでしょうか。

 

アキレスは亀を追い越せない。

 

亀にアキレスが追いつく。

けどこの間にも、亀は進んでいます。

またアキレスは追いかけます。

 

追いつくはずです。

ですが、追いつく間に、亀もまた進んでいます。

 

 

 

でも現実には、アキレスはあっという間に

追い越してしまう。

 

 

もう一つ、似た例を。

 

光以上に速いものはない。

 

じゃあ、光の速度で進むロケットに乗っている人がいます。

その人が進んだら、光よりも速くなっちゃうじゃないですか。

 

時間を考えることで、解決し、

相対性理論が確立されました。

 

 

こうした問いに耐えることができなければ、

「原理」は作れない。

 

じゃあ、みんなで考えたら素晴らしい「原理」が

生まれるんじゃないのと思うでしょう。

 

哲学書みたり、あるいは、哲学で用いられる言葉を

検索してもらうと分かりますが、非常に難解で、

みんなが参加できる言語ゲームになっていないのです。

 

 

こういうわけで、本当に問題は深刻なのだと考えています。

 

 

斎藤幸平というマルクス主義者が登場しており、

これもまた、危険な兆候だと思います。

 

 

マルクスの2つ問題点を挙げてみましょう。

 

1 観念論がない。

このため、参加しやすかったのでしょう。

昔、多くの人々を魅了できた原因だと思われます。

 

ヘーゲルは何を言っているか、分からないが

マルクスはとても分かりやすい、という感じでしょうか。

 

 

2 資本主義を批判、代わりの案を出した。

「私的所有の廃止」

 

私的な財産権を否定しました。

これは、人間が自由であるための条件の否定になります。

 

お金持ちをを襲って殺して、全部奪ってもいい。

その財産をどう分配する。

また・・・となっちゃいます。

 

 

じゃあ、マルクスがすべて間違っていたのかというと

そうでもないので、一つ擁護をしておきます。

 

戦前の資本主義を批判しました。

そうです、これは正しいんです。

 

 

でも「私的所有の廃止」は不可能、資本主義しかありません。

じゃあ、どういう資本主義がいいの、ということになるのです。

 

ここからが、本当に困った話になるんですよね、まったく。

 

 

 

「賢者は原因を討議し、愚者は原因を採決する」

アナカルシス『断片』