香港の民主化デモとは、行政長官が支那共産党が
推薦した人物を投票するシステムにするか、
それだけではなく香港の民主派からの立候補者も
その対象にして、投票するシステムにするか、
この二択のうち、後者を求めて行われているデモである。


ゆえに双方の考えが合致することはない。


ことは政治問題だから、さまざまな憶測が飛び交い、
香港のデモのリーダーは、CIAから資金援助を受けている
という噂も、北アフリカで起きた一連の騒動から、
一概には否定できないだろう。


そうした憶測を排して、支那共産党の立場に立って、
この香港デモを考えてみたい。


独裁体制の統治者として見れば、デモ言い分を
飲み込むことは、絶対にできない。


支那共産党にとって、香港は単なる裕福な一地方ではなく、
金融センターであり、かつ、国際的に通用する香港ドルを
供給することができる。


支那本土で流通している人民元は、基本的には
ドルとペッグしており、香港という金融センターなしで、
その価値を裏付けることをすれば、さらなる米国を中心とした
反感を買うことは、当たり前の話でしかない。


そして海外から得た富を集積する中心地の香港は、
支那共産党政権のコントロールできる統治者が、
絶対に必要なのである。


では政府の側から香港問題を片付けるには、
いったいどうすればよいのか。


もう資本主義が行き届いてしまった支那本土は、
統治される側ですら、コミュニズムへの回帰を行えば、
悄然と受け入れることはできないし、
できるとすれば、徹底的な軍事力を用いての弾圧しかない。
独裁政権が、十数億人を統治するのに有効なのは、
この手法が今でも行うことができるからである。
実際、年間ベースにすれば何万件という暴動が発生している。


ならば香港問題に本土のように、かつて64天安門事件のように、
夜間にデモ隊をぐるりと取り囲み、
慎重に夜間を選んで発砲許可を出して、混乱に落としいれ、
デモ隊を銃殺し、その他は戦車でミンチにすれば
よいではないかという強硬な意見もでているだろう。


急進的な人はどこにでもいるが、香港の取り扱いに
苦慮している様子をみれば、実に現状認識に長けている。


世界中のメディアが注目している最中に、
そうした弾圧を行えば、国際世論の非難を浴びずにはいられない。


64天安門で血の粛清を行い、日欧米から
経済制裁を受けたが、当時と異なり、
支那経済は、世界経済と複雑多岐にわたりつながっている。


統治者を民主派にして自治を許す、
もしくは、徹底的な血の粛清を行う、
この選択肢を取れないならば、道は一つしかない。


民主化をチラつかせながら、デモを長期化させ、
数万人の集団を減らしてゆく。


同時にデモの中に手先をもぐりこませて、
実態を詳細に把握した後、有能な扇動者たちを
リストアップしてゆく。


デモ隊の人々もずっと働かずに生きていけるわけがないので、
メディアの注目度が下がるにつれ、人数は減る。


ある程度、減った段階で、リストに挙がった連中を捕縛して、
支那本土へ強制送還し、形式上の裁判を行う。
牢屋に長期間入れるか、処刑するかだが、
慎重に国際世論を見て、行えばよい。


もし国際世論がまだ注目しているならば、
ほとぼりが冷めるまで牢屋に入れて、
冷めたころには、処理すればよいだけである。


力なき扇動者が辿った末路は常に悲惨なものである。
その歴史は、変わることがないのが人間世界といえよう。