http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20140125-00000017-jijnb_st-nb



支那のシャドーバンキングの問題は、

去年から頻繁に話題になっていた。



支那の現在抱える問題は、いくつあるのだろう。



1) 経済問題


2) 共産党の権力の妥当性


3) 民族間の衝突


4) 環境問題


と挙げていけばきりがないので、異常の点に絞る。



まず経済問題だが、これもまた多岐にわたる。

共産党の権力者たちの腐敗、軍事力に偏った資本配分、

長く続いた経済成長にも関わらず中間層が薄い、

EUや米国、日本といった先進国への輸出減、

富が一部の超富裕層にしかもたらされない、

などなど挙げるとこれまたキリがない。



経済問題は、資本主義を採用したことと

合意システムを放棄した少数寡頭制の

間のとんでもない乖離にある。



マルクス主義経済と資本主義経済は、

いってみれば水と油である。



政治的権力と経済は、マルクス主義にしろ

資本主義にしろ、切っても切れない不可分の関係にある。



ねずみを取る猫はいい猫だといって、

権力はそのままの形で、

資本主義だけ導入すれば、当然、歪が出る。



ルソー的な「自然に帰れ」は、いえばみな貧乏でも

豊かさも便利さも求めずにやっていこうぜーだったのだが、

マルクス主義経済もそれのアナロジーである。



人間というものを無視した思想とそのやり方では、

絶対に、現実との乖離を免れ得ない。



支那共産党は、旧ソ連の歴史をよく学んでいて、

いかにすれば崩壊するかを熟知しているが、

それは、ずいぶん昔のことで、現在では適応できない。



資本主義という個人の欲望ゲームを

カタチだけ取り入れると、現在の支那のような

カオス的な状況になり、ガバナンス能力はなくなる。



それを無理やり維持しようとすれば、

血を見る弾圧や虐殺が横行するのは、歴史の常である。



歴史にIFはないが、ルイ16世が軍事力を行使して、

早い段階で鎮圧すれば、ヘーゲルも

大学時代に踊り来るって喜んではいなかった。



現代の経済において、金融システムは

人間の身体に例えれば、心臓を中心とした

循環器系に相当するだろう。



資本主義の中で必ずバブルは起きるし、

そしてそのバブルはソフトランディングに

なった試しは、一度もない。

必ず、ハードランディングになる。



共産党は、このバブルをソフトにしたいだろうが、

それは、無理な望みである。



世界の金融はどんどんボーダレスになっており、

支那もその世界に接続してしまったのだから、

EUの金融危機や米国の異様な格差問題とその金融の

歪みからは逃れられず、またそれをよく知る

共産党の幹部たちのキャピタルフライトは、

100兆円~300兆円とも言われている。



資本主義に接続して、かつて日本がそうであったように

低い賃金による輸出主導で、たくさんの外貨を稼いだ。



しかし、近代国家を経ていないので、

米国の「金ぴか」時代もなく、

日本の「一億層中流」時代もなく、

元々富裕層だったものが、

スーパーリッチになっちゃった、

というのが彼らの現実である。



支那の金融システムは彼ら独自のやり方で

作り上げてきたが、そこの大きな矛盾が

影の銀行(シャドーバンキング)になって現われた。



別にこれは不思議でもなんでもない。

自由主義国家だって、そんなアンダーグラウンドな

世界がないわけではなく、むしろそっちの

経済規模のほうが大きな国もある。



けれども、自由主義国家においては、

個人の政治的権利が認められているため、

常にそのルール変更が可能であり、

庶民の欲望に沿うように変えることができる。



そしてさまざまなルールを設けているので、

庶民が安心して金融機関にお金を預けることができる。

預けている金融機関が破綻すれば、

ちゃんと救済されるシステムがある。



影の銀行(シャドーバンキング)の問題は、

汗水たらして一生懸命に働いて稼いだ

みんなの貯金がなくなっちゃったようー、

ということに尽きるだろう。



んで、それをどこのどなたが、大丈夫

心配するなー、今すぐ返してやるぜ!

をしてくれるのかが、庶民の最大の関心事となる。



もちろん、支那共産党のみなさまが、

お返しいただけると物事は丸く収まるが、

そんなことはありえないので、

あーまた暴力しかないやー、と見るのが

世界の歴史と支那の歴史から推測されるのである。



私たち自由主義国家・資本主義国家群は、

なんとか大きな矛盾をやりくりしながらやってきたが、

未だその本質的解決には程遠い。



支那共産党が、権力はあるけれど、

貧乏で清廉潔白な人々で再構成させるなら、

(原理的なやり方で)世界のロールモデルに

なる可能性は、あるかもしれない。



しかし哲学が行ってきた作業に照らし合わせるなら、

この分数の分母には、∞しか入らない。