http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130412-00000003-asahi-pol



安倍政権が誕生し、喜んでいたが、

竹中平蔵の起用によって、一抹の不安がよぎった。



それは、小泉・竹中路線によって、

日本社会に深刻なダメージを与えたからだ。



彼らによって、事実上、雇用の融解現象が生じ、

日本社会の労働環境は、尋常でないほど、悪化した。



マスコミが、実態なき景気回復と名づけたが、

それは、うまいネーミングだと今も思う。



今回は、アベノミクスという名前がつけられ、

財政政策、経済政策、成長戦略、この3本の柱で、

日本経済は、復活するという。



第一弾の財政政策は、まず成功といっていいだろう。

異常な円高に苦しめられ続けたのだが、

輸出企業群にとっては、業績の大幅な回復が見られるだろうし、

ライバルの海外企業との戦いも、同じ土俵になる。



経済政策は、まだ全貌を見せていないし、

彼は、失業に関して、言及してせず、

今、雇用されている人々、それも正規の労働者の給与を上げよという。



それは、違うだろうと訝しさを覚える。

日本社会にとって、深刻になっているのは、

非正規の人々と、失業者が、一番の優先順位になるはずではないか。



非正規の人々の雇用環境を変えるには、

今、既にある労働基準法を厳格に適用し、

厳しく長時間労働、サービス残業を取り締まり、

かつ、竹中によって改悪された、派遣法を、

ちゃんと見直し、派遣会社が暴利をむさぼらないようにしないと、

いつまでも、日本人のバカみたいに働かないといけない、

かつ、休みもほとんど取れないといった、社会構造から抜け出せない。



これを行うだけで、海外と比べても異常な労働形態が、

劇的に改善されるはずである。

そして、日本国民のほとんどから、

大きな支持を集めることができるといえる。



けれども、方向は、正反対にしか見えない。

解雇自由化などを小出しにしている様子をみると、

小泉のときよりも、さらに日本人の労働環境は、

悪化の一途を辿り、米国化に近づく。



北朝鮮や韓国、中国という敵性国家群があり、

きわめて、軍事的な危機にあるが、

それよりも、もっと性質が悪いのが、TPPである。



上のニュースによれば、とても順調に、

ウォール街が好むように、協議が進んでいる。



日本が優位な自動車の関税は守り、

米国が優位な保険・医療・金融などの分野は、

寒気がするほど、米国にとって順調である。



特に、かんぽをここまで譲歩しないといけないのかと、

唖然としてしまった。

一番安全な保険であり、国民のよりどころになる保険、

かんぽをとられるのは、非常に痛い。



どこまで一体、米国に譲るのか、

ここまで作り上げてきた日本社会に

決定的なダメージを与える代物を、また売り渡すのか。



私は、竹中を起用した時点で、最悪を想定した。

しかし、予想は常にさらにそのもっと下をいく。



一つだけ確かなことがある。

安倍首相は、とても頭が悪い人であることは間違いがないし、

オバマは、めちゃめちゃ頭が切れるヤツである。



対米交渉など、始めから勝負は見えている。

どれだけ、オバマとインサイドベルトウェイのやつらは、

戦略を練りに練っているか、わかりきったことではないか。



私たち日本人の民主主義の弊害は、

非常に優れた人材がたくさんいるのに、

そうした人々を選出できないシステムになってしまっている。



戦前もそうだったが、あいも変わらず、

日本人は、現場は優秀なのだが、

トップが常にどあほというお決まりのパターンを見せ付けられている。



きちんと、合意システムが機能するには、

現在の議員選出制度では、限界である。

やはり、一番は、そこがボトルネックになっている。