リーマンショック以降、たいへんな情勢が続いている。

それに、ニッポンという国家は、対応できているか否か、

と問われれば、否と大半の日本人が答えるだろう。



その一番の問題点に、現代は大衆国家である、

ということが挙げられるように思う。

だから、政治学からまずアプローチを試みてみよう。



現代大衆国家の特徴は、近代ブルジョア国家と比して、

議会主義の形骸化がある。



近代において議会は、国家の統合の中心となる機関であった。

だが、現代国家においては、その機能が低下している。



現在の日本の状況を見れば、

それは歴然としている。



ここ20年続いているデフレ、それによる景気の低迷、

さらには、去年の東日本大震災の対応を見ても、

それは明らかである。



議会の形骸化は、2つのアプローチがある。

ミクロ的アプローチと、マクロ的アプローチである。



ミクロ的アプローチは、近代国家を担った「市民」の

人間像(財産と教養あるブルジョアジー)から、

現代国家の基底にある人間像、すなわち大衆を

定義しないといけない。



定義として、2つある。



一つは、「他人志向型」といわれるものである。


すなわち、自律的に自己の目的を定め、

その利益のために生きるという意味での「利己性」をもたず、

他人の欲求に引きずられて生きる。



もう一つは、理性的判断よりも感情的判断で行動し、

個人というよりも、集団、組織の一員としての自覚のほうが

明確な人々である。



ゆえに、彼らが選出した議員たちは、

必然的に選挙母体である、階級、地域などの

意思のみの代弁者にすぎない。



利害を共有する同質性がない彼らに、

理性的討論を重ねて妥協による統合など、

不可能になってしまう。



つまるところ、量的多数派の主張を

強行採決されたものが、政治的意思になる。



そうなると、議会主義の限界から、政党や圧力団体等などを

通じて、政治的インプットへ向かう傾向がある。



この行動が非常に明確な国が、アメリカであり、

各種の圧力団体があり、ロビーイストと呼ばれる人々が、

ベルトインザウェイの中で、暗躍している。



実は、日本もそうなっている。

それが、ある程度、健全ならば、

国家も健全かもしれない。



だが、今の状況を見ると、あまりに惨い。

どこもひどいが、特に政権与党である、

民主党の胡散臭さは、政権をとってから腐臭を放っている。



マルチ商法で財をなした山岡、拉致と密接に関係のある

団体と強く繋がっている菅、在日利権や、

同和利権と一身同体の政治家が、目立つ。



橋下に関しては、またきちんとした考察を

行うが、彼は、同和利権から出てきた、闇の住人である。



また、大衆に向けて自分をアピールしなければならない、

Tv民主主義の時代に入ったため、理性的な討論など、

完全に吹っ飛び、イメージの連接だけを発し、

大衆を思考停止状態に陥らせる。



大衆や彼らが選出した政治家を思考停止にさせるには、

Tvは、非常に優れた装置だといえる。



Tvは、マスに向けて発信し、マスは映像でまず、

思考が麻痺してしまい、続いて、音声で完全に

思考停止状態になり、受信機になってしまう。



こういう状況で、議会制民主主義が機能するわけがない。

よって、機能不全の議会に変わり、

テクノクラートによる、官僚制になっている。



結果、長期的な展望、いや、短期的な政策さえ、

ほとんど、中心がない世界で、場の空気で練られてしまう。



消費税を現時点で増税とアホことを、

したり顔でいう輩をのさばらせているのは、

ミクロ的なアプローチからでも、明らかである。