又聞きの又聞きの話である。

先回、こういう話をした。



近所の中学で非常に評判のよかった先生がいた。

その人は、部活に力をいれておられる先生だった。



先日、その先生が辞職されたと聞いた。

うつになり、ヘルニアも悪化したのが理由だという。



その先生は、近所の中学から、

よそに転勤になり、そうなってしまったという。



なぜなのか、近所の中学で担当されていた

部活の中には、モンスター親子もいたが、

なんとか対処されて、評判がよかった。



おそらく、だからこそ転勤となったと

思われる。



いい先生は、ちょくちょく転勤になる。

ほとんどが、いまいち戦力にならず、

たぶん、絶対数が不足しているためだろう。



私が思うに、子供に好かれるモノを

先天的に持っている人々がいる。

これは、才能の一種だと思っている。



この先生もおそらく何かをもっており、

この教え手という仕事に向いていたのだろう。



だが、今の時代、そういう人ほど、

精神的にダメージを受ける危険性が高い。



ええ加減な人々のほうが、

先生には圧倒的に多いので、

真面目で几帳面な人は、とても危ない。



かつてのように、周縁世界の支えなしで、

子供とやっていくには、精神的なタフネスさが、

要求され、真面目な人ほどその点が弱い。



人間世界の醜悪さを凝縮させたこの世界で、

ベテランになるのは、才能・タフネス・忍耐力

悪評に強い・教え手としての力量、これらすべてが

揃っていないと、辿りつけない。



辿りついたら、どうなのかといえば、

そこらじゅう、カラダが異変を起こしている

だけなのである。



地位も名誉も金も何も、

手には、入らない。



一年、評判がよかったとしても、

翌年には、評価が一変する世界である。



だが、才能・タフネス・忍耐力悪評に強い・

教え手としての力量、そうしたものに、

プライドだけは、手に入る。



そして、自分の考えに忠実に生きるという

何物にも変えがたい、生を得ることはできる。