ロマ人とは、ジプシーといわれる流浪の民のことである。



フィンランドの人口構成比を見て、若干、気になってしまった。


フィンランドの人口構成比は、フィン人93%、

スウェーデン人(スウェーデン系フィンランド人)6%

サーミ人0.1%、ロマ人0.1%とある。


少数民族のサーミ人(ラップ人)は、おいておく。


ロマ人は、ヨーロッパ各地に見られ、

ジプシーという言葉は、差別語として

現在、使用されることはあまりない。


日本人には、ジプシーといえば、

気楽な流浪の民としてのイメージが強いが、

彼らは、常に差別の対象であり、

現在もそう変わらない。


今、読んでいるルーマニアに関する本の中でも、

露骨にロマ人を差別している箇所が出てくる。


彼らに対する差別は、ユダヤ人以上に酷いもので、

ユダヤ人は、その排他的な宗教により、団結していたが、

ロマ人は、その団結力が弱く、ネットワークが緩やかなため、

彼らの地位向上は、いまだ果たしていないように思われる。


彼らは、二次大戦までは、固定の店舗での商売を、

禁じられていたために、流浪せざるを得なかった。


そして、様々な偏見や誤解のために、

ジプシーという言葉は、物乞い、盗人、麻薬の売人など、

ひどい意味合いで使用するものもいる。


二次対戦中、彼らはナチスドイツによって、

大量虐殺を受けたとされている。


ナチスドイツがその占領地を拡大するにしたがって、

各地のロマ人を抱え込み、1935年に「劣等民族」と

法律によって定められ、戦争中、約50万人が殺害されたという。


それも、強制収容所への移送もされないままに、

現地で殺害されたものも多かったという。



ナチスによるロマ人の虐殺は、「マスターキートン」という

マンガにも描かれていて、その話は実に良く出来ている。

おそらくは、研究者くずれの人が原作を書いたのではないかと、

勝手に推測している。



このロマ人に対する戦後補償は、

大声で叫ぶユダヤ人とは異なり、

ドイツは、きちんとかたをつけていない。


おそらくこのまま時間と共に、

多くの犠牲者を出したロマ人は、泣き寝入りだろう。



そして、今も、ヨーロッパ各地のロマ人たちへの偏見・差別は、

根強く残っていることを、感じさせる。


私たちの国も、在日、部落、アイヌ、などといった問題からは、

逃れることが出来ない。


私たちは、どうしても構造的に差別という形から、

抜け出せないでいる、イケナイコトだと分かっていても。


人の心の奥底に潜む偏見・差別は、

歴史的になくなることはなかったし、

これからもなくなることはないだろう。


哀しいことだが・・・



ただ自分としては、ロマ人だろうがなんだろうが、

べっぴんで、思いやりがある、そんな「ねーちゃん」なら、

差別どころか、大歓迎なのだが・・・・。