今回は、下のチビだけのお話にしようかと思ったけれど、

上のおでぶの教師の話をもう少し。


授業力は、まぁ及第点だったし、

クラスをまとめる力もある程度あったようにも感じた。


しかし、学年のはじめの頃、上のでぶは

ちょっといじめられていた。


それに対する対応が公平ではなかったし、

ウチのをちゃんとかばうでもなく放置していた。


どうしても事件は現場で起きるので、

些細なことも見逃してはいけない。


もし上のデブがガタイがよくなければ、

ちょっと状況は変わっていたかもしれない。

小学生なので、とんでもないことにはならないけれど。



こうした教師はいっぱいいて、というか、

ほとんどなので、いつもどこかでイジメが

学校では起きている。


それを救う正義の味方は、

この閉じた空間にはいない。


それがせちがないなぁと思わされる。

せめて教師が正義の味方になってやらないとねぇー。


トラウマになったり、いろんな症状が後になって出てきたりする。

滝川高校では、自殺まで追い込まれた。

それを救うのが正義の味方の教師であるはずなのに。



行き過ぎた。


下のチビの話だった。



最初にいったのは、下のチビのほうで、

チビといってもクラスで一番背が高い。


こいつはいっつもがさがさしていて、

こそこそ悪い事ばかりしている。


オレからすると、でもなんか憎めないなのだが、

口がやたら悪くて、人を怒らせてしまう。


これは、姉やオレ譲りなので、人との関わりの中で、

自分の他者との関係性と調整していく事を、

いずれ覚えていかないといけないと言える。


いや、その試練はもう始まっているのかもしれない。

だから、学校ではすごく真面目なのだと、

担任の先生は語っていたと姉から聞いた。


その担任の先生は、またもや女性で、

30手前といった感じである。


去年まで、塾の講師を務めていたという経歴の持ち主だが、

授業力に及第点は与えられない。


声のとおりが悪く、全然響いてこない。

はっと注目させるレベルの声にまだなっていない。


外見もかわいらしいから、女性を捨てる事ができていない。

だから、よく理解させ、記憶させて、

それをまた訓練し、脳の活動領域を広げるというのは、不可能っっぽい。


塾の講師としてやっていても、

長く勤めることは出来なかっただろう。

所詮は、教師になるしか道はなかったと思えた。


そして、一年目なので、補助の先生がついていたのだが、

その先生は、なぜが悲壮感が漂っていた。


姉の話を聞くと、どうやら精神的なダメージを受けて、

休職していて、復帰の最中だという。


そして髪の毛が薄く、ズラなのだという。


だから、子供というのは残酷で容赦のない言葉を

投げかけてくる存在なので、それを受け止め切れなかった

ようなのである。


人には、触れてはならない外見上の傷跡がある。

どんなに見た目がよくっても、コンプレックスは、必ずある。


藤原正彦先生によれば、確かハーディだっけ。

自分の外見に自信がなく、ホテルに着けば、

鏡という鏡に覆いをかけたという。

先生によれば、とても男前だというのに。


そんな弱点を子供たちは容赦なくつく。

それに対応するには、自分が折れないように

強くあらねば、容易に心が折れてしまう。


その復帰しだしている先生は、その覚悟がいまだないように見え、

またぞろとても傷つけられて、苦しみそうな頼りなげな感じだった。


誰しもが、自分のようにはいかない。

でも、苦しみの中から、立ち上がっていかなければ、

この優しくない社会では生きれない。


どうか父兄の方々も、温かい目で、

教師達を見守ってほしいと思うのだが、

塾屋がそんなことを言うのはお門違いだろうか。


自分の口を糊するにも必死だというのに。