今年の入試をいくつか経て、理系の大学の劣化を

カナリ憂いている。


以前では、ありえない子が受かったという話を聞き、

恐怖すら感じる今日この頃。


この劣化のおかげで、今のところ全て受かっているわけだが

何か心もとない。


自分が思うような学力をつけて送りだせているのか、

自問する日々が続く。


ウチはちゃんとやっているため、大学に入って一回生の間は

英語と数学は大丈夫だろうが、他は、いけるだろうかと。



それにしても理系教育の劣化はすさまじいものがある。

なにせ、大阪工業大学でも数Ⅲ・Cの基本的事項を

習得して入学している生徒はかなり限定されていると思われる。


なぜか、それはAOや公募推薦で学生をキープすることに走り、

その結果、数学Ⅲ・Cの内容や物理などがほぼ欠落したまま

採用?(入学)することを許されてしまうからである。


ここはトヨタや他の大手にも就職枠を持っているのだが、

入学時に基本的な学力を備えているものは、

極めて少ないというのが実情になった気がする。


挙句、高校内容の補習をやらざるをえないのだろう。



他にも、大阪電気通信大学は数学や物理や化学など

理系の根幹になる科目を習得して入ってくる学生は

皆無に近い。


よって、一回生の間は、高校内容の数Ⅲ・Cを

大学数学として履修させている。




やはり市場原理が大学にまで及んだ結果として、

こうした劣化現象は当然のことかもしれない。


それにしても、理系はわが国の根幹ではないのだろうか。

そのベースを崩しきって、無駄に英語熱におかされたまま、

私たちの国の教育はどこに向かうのだろうか。



市場はいつも偏りがちである。

それに食い荒らされてはいけない。



藤原先生は、教育を再構築するには時間がかかると

おっしゃっておられたが、もしかすると半世紀から

一世紀ぐらい厳しいのではないのかと思わされる。



でも、もしかして私たちはスキピオが、炎上するカルタゴを

見てはらはらと涙を流したかのように、

今の教育事情を見ないといけないのかもしれない。