花は咲いて

枯れるものだと知った

空を目指しても

叩き潰されていくだけ


逃がした獲物は大きいと

唇歪めてあなたは嗤う

悦楽へと墜ちていった者は

もう後戻りは出来ない


風に揺られて

目的地決めてたわけでもなく

ただ欲しかった

絶望に似た

安らげる場所


花は咲いて

枯れるものだと知った

私もいつかは

枯れるのだと思った


峠を超えたら楽になるのだと

眸(メ)を閉じたままあなたは云う

また次の峠越えられずに

私は何処へも行けない


照明(ヒカリ)に戯(アソ)ばれ

歓声に押されていくそれが

生きることだと

知ったような氣がしていた

違った


時は過ぎて 

朽ちるものだと知った

私もいつかは

朽ちていくのだと思った


格子越しに

雲を臨んでいた

私もいつかは

あの空へカエリタイ

おんぷあんたにどう 想われるかなんて

アタシにはどうだって よかった

アタシは アタシが笑うために

そして 泣く 為に

あなたに 恋した



髪を 撫でる ゆ び も

起き抜けの少しかすれた声も

煙草が滲む シャツの に お いも

全て

アタシと アタシの名誉の為にあっただろう


くすんだ 膝小僧抱いて


ヨレたグロスを 拭って


涙で 曇った 視界さえ も

これでよかったって思える


アタシあり き で 人生

やって きたん だから


アタシが笑うため

泣く ために

あなたに 恋 した


この涙も

くすぶる恋火も すべては

アタシと アタシの

名誉のために

存在 したい のだろうおんぷ


夜が白んでいく

新しい一日が

今日も動き出す


私はまだ

あなたの記憶から

飛び立てずに

動けずにいるよ

カーテンを開けても

何も変われない

 


水底で

手を広げる

空に向かって

羽ばたく鳥のように

手を広げてみるけど


今だけは

忘れられるまで

痛みだけ忘れられるまで

思い出を抱きしめて

飛びたてるまで

ここにいさせて



居心地のよい

君の中で朝を迎える


それだけで

自分の存在(ありか)

見つけられた

心から


必要としてくれるあなたがいない

それだけなのに


水底で

手を広げる

空に届くように

羽ばたく鳥のようにはなれないけど


今だけは

夢の中で

ずっとあなたに抱かれて

飛び立てるまで

ここにいさせて