国内では、キックバック問題をはじめとした政治問題が国会を紛糾させ、国民の政治不信が深刻化しています。一方、スポーツ界では、野球に興味がない人でも知ってい るであろうドジャースの大谷選手の電撃結婚発表が大きな話題となりました。早朝インスタグラムでの公開から仁川国際空港でのツーショットまで、微笑ましいニュースが続きました。しかし、その華やかなニュースの裏では、別の問題が起きていました。

 

 

2024年3月15日、韓国の仁川国際空港で、MLB開幕戦のため韓国入りしたロサンゼルス・ドジャースの選手団に向けて、生卵が投げつけられる事件が発生しました。幸い選手に被害はありませんでしたが、国際的なスポーツイベントを前に、韓国国内外で大きな波紋を呼んでいます。

 

 衝撃的なニュース

 

事件が発生したのは、ドジャース選手団が仁川国際空港に到着した際。報道によると、20代の男が選手団に向かって生卵を投げつけ、そのうち1個がデーブ・ロバーツ監督の近くで床に落ちました。男はその後、警察に逮捕されました。

男は取り調べに対し、「外国人選手を歓迎する必要があるのか気分が悪かった」と供述しているとのこと。韓国では近年、反日感情の高まりとともに、外国人に対するヘイトスピーチや差別事件が頻発しています。今回の事件も、こうした社会的な背景と無関係ではないと考えられます。幸い選手や監督、関係者などに被害はありませんでしたが、もし生卵でなく爆発物であったら、もし投てきでなく銃の乱射だったらとか考えたらゾッとします。

 

 ヘイトの象徴としての生卵

 

生卵は、古くからヘイトや嫌悪の象徴として使われてきました。その起源は明確ではありませんが、いくつかの説があります。

  • 古代ギリシャでは、卵は悪霊を呼び寄せるものと信じられていました。
  • 中世ヨーロッパでは、魔女狩りの際に、魔女と疑われた女性に卵を投げつけることがありました。
  • 近代では、政治的な抗議活動や差別的なデモで、生卵が投てきされることがあります。

生卵は、腐りやすく悪臭を放つことから、嫌悪感や忌避感を抱かせるものです。また、卵は生命の象徴でもあるため、それを投げることは生命を軽視する行為とも解釈されます。

 

 韓国における生卵事件

 

韓国では、過去にもスポーツ選手や政治家など、著名人に対して生卵が投げつけられる事件が複数発生しています。

  • 2008年、韓国代表サッカーチームが北京オリンピックに出場した際、帰国時に一部のファンから生卵を投げつけられました。
  • 2012年、朴槿恵大統領が大統領選挙の候補者だった当時、演説中に生卵を投げつけられました。

これらの事件は、韓国社会における政治的な対立や、スポーツに対する過熱したファナティズムなどが背景にあると考えられます。

 

 今回の事件の背景

 

今回の事件の背景には、韓国社会における反米感情や、外国人に対する差別意識などが指摘されています。また、近年韓国では、MLBの試合中に観客が選手に野次を飛ばしたり、物を投げつけたりするトラブルが相次いでおり、今回の事件もその延長線上にあるとも言えます。

 

 歴史を振り返る


生卵を投げるという行為は、決して褒められたものではありません。しかし、歴史を振り返ると、生卵は様々な意味を持つ象徴として使われてきました。今回の事件をきっかけに、生卵が持つ意味や、ヘイトや差別といった社会問題について改めて考えることが必要なのかもしれません。

 

 

水を差された感じはありますが、せっかく韓国初開催のMLBの開幕戦ということや、韓国の金河成(キム・ハソン)・大谷翔平・ダルビッシュ有・松井祐樹各アジアの選手のお披露目でもあるので、どうか盛り上がりと、無事に終わることを心より願っています。

 

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