「ハルフウェイ」 | 精巣腫瘍治療記+α

精巣腫瘍治療記+α

2009年末、21歳で精巣腫瘍に罹患。一度は転移なしとなったものの翌年再発し5月から化学療法。患者であると同時に薬学生でもあるので、患者側と医療側双方の視点でこの病気と向き合っていければと思います。また自分の病気とは関係ない勉強、研究、趣味の話もちらほら。

※以下、ネタバレを含みます。ご注意ください。




ハルフウェイ…
アルファベットで表記するとどう書くでしょうか?



TSUTAYAで4本一気に借りてきたよシリーズその3。

ヒロ(北乃きい)とシュウ(岡田将生)は北海道の高校に通う高校3年生。
ひょんなことから2人は恋人同士となるが、高校卒業後の進路について2人は衝突し、
それぞれが悩み、それぞれが結論を出そうとする。

とても良い雰囲気の映画でした。
音楽とか、景色とか、編集のしかたとか。
良い感じを醸し出していた。
…と思ったら岩井俊二さんが関わってらっしゃるのですね、納得。

北乃きいも良くて、表情とかセリフのアドリブ感とか好きなのだけど、
それ以上に、先生がいい人すぎる!
成宮にしても大沢たかおにしても、高校の先生が生徒の、しかも受験生の恋愛相談に
あんなに真剣に乗ってくれるってすげーな、と。
普通なら「そんな先生実際にはいないよ!」と突っ込んでしまいたくもなるのだけど、
彼らの場合、そんな気にもならなくて、とても自然で、良かったです。

それだけに…。
個人的には、シュウの態度というか、ヒロと話す時のへらへらした感じが気に食わなくて残念でした。
それは、決して不誠実というわけではなくて、単にヒロの気持ちを分かっていなかったり、
真正面からヒロに向き合うことに恥ずかしさを感じていたりするためだと思うのだけど、
そして、だからこれはシュウの1つのキャラクターだと思うのだけど、
でもやっぱり、高校3年生で、彼女のことと自分の将来のことを真剣に考えているのであれば、
もっと色々なことをちゃんと考えて、ヒロともちゃんと向き合ってしかるべきじゃないか、とか思っちゃいました。
ファンの方すいません^^;

ストーリーでは、自分の希望する進路と傍にいたい人の進路が違ってしまって思い悩むという、
まあ言ってしまえばベタな、でも多くの人が経験したことのあるだろう内容です。
だからこそ、もっと最終的な結論を出すまでの過程を描いてほしかったとは思いました。
たとえば、シュウはそもそも何をしたいと思って進路を決めたのか。
ヒロは自分の進路を変えてシュウに付いていこうとは思わなかったのか。などなど。
終わり方も中途半端な気がしたけれど、それはまあ、この映画だから仕方ないのかな。
最後まで描いて何かしらの結論が出てしまえばそれも野暮だしね。


ストーリーは個人的にはちょっと、、、ですが、
出演してらっしゃる役者の方々の魅力が十二分に引き出された映画だと思います。
映画全体の雰囲気と、役者の方の表情や言葉の細かなところを楽しむことができるのではと思います。