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まず最初に言いたいのは、
(株)ロッキング・オンは、私が一番信頼を置いている音楽雑誌社である、ということだ。
ヒットチャートの音楽に付いていけなくなってから読む機会は減ったが、
映画・演劇を扱う「CUT」は時折読むし、特に政治経済を扱う総合誌「SIGHT」は定期購読している。
読み出したのは学生の頃からだが、
他では聞けない話を存分に引き出してくれるその手法に大いに唸ったものだ。
随分前に、岡田氏斗司夫氏が「あそこは毎月ロックに革命が起きている(笑)」と揶揄したり、
最近では広告云々のことでtwitter上で批判されたりもあったが、
インタビューや音楽批評はいまだに面白いと私は思っている。
もちろん、それらの論説のすべてが正しいとは思ってはいない。
ちょっと違うんじゃないのと感じることはあるが、それは決して偏った話だけを発信している訳ではないからだ。
私としては”つまり信頼しているが妄信はしていない”といったところか。
で、そのロッキング・オンが最近「10年にひとりの才能」と評したアーティストがいる。
それが米津玄師である。
随分と豪語したものだなと思いながら、アルバム「diorama」を聴いてみた。
・・・確かに言うだけのことはある。圧倒された。
元々、ニコニコ動画で初音ミクを駆使した音楽を発信して、評価を得ていたが、
名前を出して自分でも歌を歌い出したのだということらしいが・・。
たった一人でこれだけの音楽、ロックを創っただと・・・。恐るべしニコ動。
同じくニコ動出身で、今をときめくSupercellは
”成し遂げられなかったが、成し遂げられるかもしれなかった青春”を私たちに呼び覚ます。
しかし米津玄師は”今を生きる私たちの心”を切り出す。抉りこむ。
それも限りなく美しく。
最近の若手ロックバンド(アジカン、ストレイテナー、サカナクションなど)を一切聴いていないので、
今の音楽シーンにおいて米津玄師がどこまで斬新かは、正直分からないし比較が出来ない。
だが私にとっては、久々に胸を突くロックが響いてきたと感じた。
米津玄師 『恋と病熱』