「Degustation à Jazz」菊地成孔 | 休憩室のMonologue

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Degustation a Jazz/菊地成孔

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2004年の作品だが、久しぶりに聴いてみた。
菊地成孔名義では初のソロアルバム、リーダー作。

初の著作である「スペインの宇宙食」もそうだったが、
菊地成孔は最初から菊地成孔だった、ということがよく分かる。
以後の活動はDCPRG、ダブ・セクステット、ペペ・トルメント・アスカラール、
SPANK HAPPY 東京ザヴヌルバッハと多岐に渡るが、
それらの音楽の要素・片鱗が、この「DEGUSTATION A JAZZ」に全て詰まっている。
計41曲収録。1曲1~2分半でありながら非常の濃密な小作品(ラテン、フリー、ダブ、電子音楽等)が、
コース料理のごとく並べられていく様が、程よく心地良い。
まさしく「degustation=賞味; 試味; 味覚」 だ。

初心者がなかなかジャズに馴染めない原因の一つに、曲の長さがあるように思う。
1曲最低でも5分が当たり前で10~15分、場合によっては30分、1時間作品なんてのもある。
私も最初の頃は結構参った。聴き方が分かると非常にスリリングさを感じるのだけれど。
その辺が考慮したのか、今作は全て短い尺に編集して並べたのは面白い。
菊地成孔の作品の中では一番ポップであり、
そしてジャズミュージシャンとして、またサックスプレイヤーとしての姿が一番よく見えるアルバムだ。

盟友である大谷能生氏のことを「才能の焦点が合わせづらい天才」と評しているが、
それは菊地本人にも言えることだと思う。少なくともジャズミュージシャンとして。

「アルバムの1枚目にはそのアーティストの全てが詰まっている」というのは真理である。
決してロック・ポップスだけの話ではなく、ジャズについてもそうだった。