連休中に関東地方では梅雨明け宣言があり、本格的な夏の到来となりました。そこで、皆さんもこの夏、プールや海へと出かける方もいるかと思うのですが、どうしても体の露出度も高くなると思います(わたしもすでに真っ黒なのですが)。「ダイエット」に関して知見なども交えて、原点に立ち返り、日常生活での留意点などを探っていきたいと思います。
減量のためには、様々な食事療法が提唱されてきたのはご存知のことと思います。特にカロリー源となる脂肪、たんぱく質、炭水化物の最適な比率についても議論がありました。低脂肪食が一般的ですが、たんぱく質を多くとり、炭水化物を少なく摂るのを進める食事療法などもありました。この論争に決着をつける臨床試験結果がNEJM360;9,2009「Comparison of Weight-Loss Diets with Different Compositions of Fat,Protein,and Carbohydrates]に掲載されました。内容は肥満と肥満気味の米国人811人を対象に4つのグループ
① 低脂肪、通常たんぱく質・高炭水化物(20%・15%・65%)
② 低脂肪、高たんぱく・炭水化物(20%・25%・55%)
③ 高脂肪、高たんぱく、炭水化物(40%・15%・45%)
④ 高脂肪・高たんぱく・低炭水化物(40%・25%・35%)
これらの比率で、1日750キロカロリー減らすのを目標に2年間で実施。平均体重は、高脂肪食群でも低脂肪食群でもそれぞれ3.3kg減少、高タンパク質群で3.6kg、通常たんぱく質群3.0kgと明確な差が見られなかった。脂肪、たんぱく質、炭水化物の比率が重要ではなく、カロリー自体を減らすことが基本であるという実にシンプルではあるが、重要なメッセージになっているように思われる。
また、カロリーを使う側、すなわちエネルギーを作る働きに注目されているのは、細胞の「ミトコンドリア」。ミトコンドリアは、糖や脂肪を原料に酸素を使って、エネルギー源であるATP(アデノシン三燐酸)をつくる、いわばエネルギー工場のようなもの。マウスの実験では、ミトコンドリアの多いマウスの方が体重増加は遅く、内臓脂肪は半分以下、エサを与えた後の血糖値は早く下がる、といった報告がある。エネルギーを生み出す時に数パーセント活性酸素も発生するミトコンドリアは、車のエンジンにたたえられます。効率のいいエンジンは出力(エネルギー)が大きく、排ガス(活性酸素)は少ない。しかし、メタボや糖尿病の人は、ミトコンドリアが小さく、量も少ない。出力(エネルギー量)も小さく、エネルギー量の割りに活性酸素が多く、体内の老化を早めると考えられています。で、ミトコンドリアを増やすには、『ちょっときつめの運動がいい』のです。
年齢とともに、生命維持に必要な基礎代謝は低下し、若い時に比べれば圧倒的に活動量も減ってきます。どうやら、アンチエイジング的ダイエットの根本の部分は、実に「運動とカロリー減」にありそうです。