バカからバカに引き継ぐと

腫瘍が転移する


ある会社の経営者のお言葉

言葉は悪いが、ちょっと看過出来ないお話だった


ある社員が会社を辞めることになったらしい

問題の多い現場監督が、他社に引き抜かれたらしい


その会社の将来性を憂い

かつ、待遇も良くなるとの事で

ローコストでは有名なあの会社に行くことになった


これはこれで驚きである

その人引き抜いて本当に大丈夫?

って思うような人材である

それほど現場監督というのは人手不足なのだろう


それはさておき、急遽引き抜かれた会社では

社員を募集し何とか監督を補充はしたものの

30代半ばの素人である

監督経験どころか

住宅会社で働いたことすらない

ただ、日曜大工が好きだとか…


引き抜かれる社員が辞めるまでの期間

しっかり有給を消費しながら

その新人社員に監督業を引き継いだらしい


そして、元いた監督は新しい会社に行き

新しい監督は、教えられた通りに現場を進めた


元々、現場が強い会社でもないので

ある種職人さんに丸投げに近く

監督のすることは、さほど無いらしいが

何故か続々と問題が起こる


社長が不審に思い

引き継がれた内容を聞いて

愕然としたらしく


とにかく酷い内容で

ここまでわからずに監督してたのかと驚いたのだとか


その時にバカがバカに引き継いだら腫瘍が残る

という迷言を吐いた


腫瘍というのは

致命的な施工ミスの要因まで引き継ぐという事だろう


まぁそもそも、そんな人に監督させてた事自体

問題はあるが、程度の差こそあれ

似たようなことは起こりかねない


ある社員が会社を辞めるにあたり

新しい担当者に引き継いでもらうなんて事は

そこまで珍しいことではないが


これから会社を辞める人間なんて

仕事に対して情熱もなく、会社に対して愛もない

まして責任感もない状態で

有給消費しながら引き継いで

まともに伝わるわけがない


キチンとした仕事のマニュアルでもあれば良いが

そんなものがある中小企業なんて見た事ない

そもそも、

建築業界とはいえ日進月歩でそれなりに進化している

お客さんのニーズは変わり、

ライフスタイルも変化していく

それに合わせて会社のサービスも

時代とともに変わっていく


今のご時世、お客さんの家に訪問営業を仕掛ける住宅会社なんてとんとお目にかからないが

一昔前は、ストーカーが霞むほどに

ポストに名刺をぶち込んで、

得意げになってる営業マンたちがいた


マニュアルなんて作ったら

毎年更新していかなきゃならなくなる

そんな時間もお金も小さな会社にはない

なので人に頼る


そもそもそこが間違ってる事を

言われてみれば確かに見落としてしまう


仕事の引き継ぎのような面倒なことこそ

管理者がちゃんとチェックすべきなのだろう