ブラームス 4つのバラード Op.10 | 音に巡る想い(2005~2010) / ビデオ画像と音楽(2011~)

音に巡る想い(2005~2010) / ビデオ画像と音楽(2011~)

クラシック音楽に目覚めたのはSP時代だった。知人から借りたレコードが
きっかけ。後にLPを集めたりしたが、時に感動して涙した頃が懐かしい
な~。/

主に四季の花や自然の風景などビデオ撮りした動画に、出来るだけ自作のBGMを付けて載せたいと思います。

今日はピアノ曲で、ブラームスの4つのバラードを聴く。
これはゲザ・アンダ/フリッチャイによるブラームスのピアノ協奏曲
第2番に次いで収録されている(CD)。この協奏曲は私的には最も
気に入っている非常な名演で、いつかこのブログにエントリーする
筈だが、一方のバラードはケンプの演奏であって、聴くのは今日が
初めてというもの。


4曲のうち、第1,2曲はどちらもアンダンテで、旋律はどうも煮え切
らない、いかにもブラームスらしい内省的で、ブツブツつぶやいてい
る表情である。
しかし、中間部では次第に感情が荒々しく高揚して、前後と対照を
なしている。


第3曲は Intermezzo(間奏曲)である。
強い不協和音に続いて始まる旋律は、高ぶる感情をどこにぶっつけて
いいのか分からぬままに、ピアノの鍵盤を叩きつけるような印象があり、
気まぐれ的、ないしは即興的性格を感じる。
こうして感情をピアノに託していると、やがて気分は落ち着いて、心の
赴くままにピノで遊んでいるように聞こえる。これが中間部である。
やがてまた最初の旋律に戻るのだが、今度は遊び心のままである。
和らいだ気分で曲を閉じる。


第4曲は左手の分散和音に乗って、やっと歌謡的な旋律が奏せられ、
うっとしい梅雨が明けて太陽の光が差してきたように思う。
しかし、今度の中間部は前3曲とは逆で、沈んだ気分になる。
やがては最初のメロディが現れたと思っても、表情は中間部の延長の
ままである。一向に晴れないまま、静かに曲は閉ざされる。

 演奏:ウイルヘフム・ケンプ(1973年録音)