レコードを持っていながら全く聴いていない代表盤のような曲を
聴いてみた。
以前にも書いたと思うが、職場の元同僚が「近くに中古のLPを
売っている店があるので、見に来ないか」と誘われた時に買った
盤のひとつだ。
ブラームスの室内楽はあまり所持していなかったので、選んだ
はずで、弦楽五重奏曲2曲が入ったもの。
以前にその第1番をエントリーしたので、
今日は第2番ト長調 作品111。
ガサガサガサガサと8分音符らしい連続の奇妙な伴奏に、旋律が
始まる。伴奏がヴァイオリンとヴィオラで、旋律がチェロだそうだ。
やはりブラームスらしいと言うか、渋いね。
頑固そうな主題に対して、第2主題は優美に流れるが、これもヴィ
オラだそうで、しかもその重奏。 優美とは言え、渋いよ。
しかも伴奏が陰にまつわるようで、すっきりとはしない。だから癒さ
るまでには至らないのだ。ここらは旋律主体で聞かせてほしいな~。
両主題が一段落した辺か(?)、急に静かでしっとりとした雰囲気に
なる。おお、気持ちが落ち着くこと。 ほんの束の間ではあるが、私
はこの感じが好きだ。
解説を見ると、「雲ひとつない晴れやかな空を思わせるこのような
楽章は・・・」とある。
なんと、意外だよ! 全体的には、私にはト長調にしては暗くてじめ
じめしていて、せわしく苛立ちを覚えるんだったが。
第2楽章はメランコリックなアダージォ。 老後の孤独感と淋しさが
にじみ出てくるような、この旋律にはかなり惹かれるところがある。
でもブラームスらしく常に伴奏が旋律との境目をあやふやにしてし
まう。
終り近くではエネルギッシュな強奏に転じる。
いくつかの変奏曲形式で進んできたので、ここらで変化を示したので
あろうが、私には最初からの孤独感や淋しさをもっと長く心の中で暖
めていたかったな~。
第3楽章は分かり易い3部形式で、とても気に入る旋律。ト短調だそ
うで、トリオのト長調よりは、私はこの方がずっと好きだ。
第4楽章 プレストで終始せわしい。解説には「ゆったりとした副主題
・・・」とあるが、それはあまり気が付かずに終わった。
全体を通して2回聴いたけれども、私にはまだまだ理解に程遠い。
こんなのは空しい気持ちになってしまう。
若い時代と違って、何度も聴き直す根気がない。
ブログを始めていなかったら、これは一度も聴かずに済んでしまうかも
知れないから、まあ、それよりはよしとしようか。
演奏:バルトーク弦楽四重奏団とコーランド(第2ヴィオラ) (LP)