ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 第24~26番 | 音に巡る想い(2005~2010) / ビデオ画像と音楽(2011~)

音に巡る想い(2005~2010) / ビデオ画像と音楽(2011~)

クラシック音楽に目覚めたのはSP時代だった。知人から借りたレコードが
きっかけ。後にLPを集めたりしたが、時に感動して涙した頃が懐かしい
な~。/

主に四季の花や自然の風景などビデオ撮りした動画に、出来るだけ自作のBGMを付けて載せたいと思います。

ベートーヴェンのピアノ演奏に対して、シュナーベルには格別熱い想い

入れを抱いている私。 その気持ちを込めて、これまでに「熱情」「ワルト

シュタイン」そして「ハンマークラヴィーア」を記事にしてきました。


ソナタ全集を買ってはあるものの、聴くのはつい名前の付いた有名な

曲になってしまいがちなもの。

それで、23番「熱情」から29番「ハンマークラヴィーア」の間の曲は

どんなものだろう?

そう思って、今日は24番のソナタから聴くことにした。


第24番 嬰ヘ長調 Op.78  2楽章のソナタ。

第1楽章  ゆっくりとした趣きのある出だし。アダージォ・カンタービレと

書かれている。 短くはあるが、なかなかいいですよ。

それに続いてのアレグロの主題はやさしくて愛らしいもの。

久しぶりに旋律を数字で表してみると・・・

4分の4拍子として  34 ] 5171 ] 4-・2 ] 3651 ] 765- ]

  ※最初のミは付点音符で、次のファは16分音符

  ※ 2小節目のシが最も低く、4小節目のドが最も高い音


この旋律が何度も変化しながら現れて目立っている。


第2楽章はやや突飛な出だしに感じられるアレグロ・ビヴァーチェ。

あっという間に終わってしまう。


第25番 ト長調 Op.79  

速いテンポの楽章に挟まれた第2楽章が印象的。

アンダンテで多分8分の6拍子だろうと思うけれども、

4分の3拍子として表すと、

   1-2 ] 3-3 ] 3-1 ] 6-’1 ] 7-・ ] 6-・ ]

1-2 ] 3-3 ] 3-1 ] 247 ] 1-・ ]

このように叙情的で美しい旋律です。

第1楽章は 131 ] 5-  と、たくましく跳ねるような動機が面白く、

第3楽章は非常にかわいらしい旋律で始まる戯れ感に満ちた、たった

1分35秒の短さでした。


さて、次の第26番で、あ、そうか。26番「告別」だったのだ、と気が

付く。 これまでケンプの演奏(LP盤)で聴いてはきている。

で、シュナーベルはどうだろうか?


第1楽章  冒頭のアダージォはゆっくりと情感豊かに始まる。

それが主題に入るとかなりテンポは速い。 緩急の差が明確なのだ。


第2楽章は非常な弱奏に終始する。 極めてゆっくりと、各パッセージに

想いを込めるように しんみりと弾いていく。 最後はもうピアニッシモで、

これ以上ないようなか細くて、悲哀の情感をにじませると、突如第3楽章の

強奏に突入する。

もう、これからのテンポは速い、速い。 シュナーベルのまるで自由奔放の

ように聞こえる趣きがなんともすばらしい。

いつものように、軽やかな歌に溢れ、左手の伴奏は柔らかい唸りの響きが

ふんわか全体を包んでいるのです。