baiser de l'ange 20 | Are you there ?

Are you there ?

随時公開中(過去作品のみ。)





「ありがとうございました!さぁ、配達行ってきます、お店お願いしますね!」

「はい、店長!」

いつもと変わらない日常
ただ…何かが足りなくて
その何かを探している気がする
でも、それが何かわからないまま





車にたくさんの花を積んで、配達に出る。
配達の最後はいつものお店に花を届ける
週に1回、こうして…


「ご苦労様です、今日のお花も綺麗ね。」

「ありがとうございます、あの…そこの絵、前はありませんでしたよね?」

「あっ、この絵?素敵でしょ…飛び立てないでいる、天使の後ろ姿…羽を伸ばしたいのよね。本当は…」

胸騒ぎがする

「悲しそうに見える…」

「描きかけらしいのよ、でも…このままが素敵だから、無理に譲って貰ったの。」

「どなたが…描いたんですか?」

「お隣のチョン氏よ。ほら、今日もバタバタすごい音たててる(笑)」

「(笑)すごいですね」

確かに、垣根越しに酷い音が聞こえる

「素敵な絵を描くのに、なんだか残念だわ…」

「(笑)また、来週来ます、ありがとうございました!失礼します。」


車に戻るまでの
数メートル

「ガッチャン…ドン…がシャン!」


なんでだろう…
前にもこんな感じ。

「ガッチャン…あっぁ、あっ!」

思わず垣根越しに、声をかける

「大丈夫…ですか?」

「あっ…すみません、うるさかったですよね(笑)」

チラッと見えたキッチンは
鍋がひっくり返って、床にこぼれて
黒い粉…ココアの粉?
白い粉…砂糖?
そこらじゅうに、撒かれていた。

「火っ!火、消してください!あっ…もぅ!」

玄関にまわりドアを引く

「入りますよ!」

廊下を抜けて、キッチンに出る

「火っ!消さないと危ないじゃないですか…」

火を止めて、キッチンを片付ける
鍋を拾いあげ
床を拭き

「だから…電子レンジ買った方がいいって、言ったじゃないですか(笑)何が飲みたかったんですか?ホットミルク?あっ…ココア?入れて上げるから、座っていてください…ユノ…さん…」

え?
僕は。今…

「…チャンミン。」

えっ?

なんで
顔を上げると

僕はユノさんの腕に
包まれていた。

「チャンミン…」








「ユノ…さん…(涙)僕がしてあげるから…もぅ、大丈夫…だよ。」







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