『ゼクシィプレミア』に寄稿したエッセイスト光野 桃さんの
結婚に関するエッセイがとても素敵で、
いくつかの部分を抜粋してここにご紹介したいと思います。
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結婚とは「いきもの」である。
結婚式をしただけでは、そして籍を入れただけでも、
’結婚した’とは言えないと私は思っている。
結婚という名の生きものは、それを慈しんで水をやり、
太陽の光にあて、こころを尽くして育んでいくものだからだ。
つまり時間がかかる。
そこが恋愛や同棲とは違う点で、いやになったらすぐにやめればいい、
というものではなく、コツコツと積み上げていく作業の先に、
ふたりが育てた果実が実る。
そこまでいかないと、結婚の意味は分かりようもない。
他人同士だった男女がともに暮らすとき、
婚約時代には思いもかけなかった衝突や行き違いや困難が降りかかってくる。
そのとき、何を信じて待つのか、何をよりどころに忍耐するのか、
希望を見つめるのか、そのよりどころとなるものを掴むことが、
結婚の第一歩なのだと思う。
そうして、よりどころを持って継続していくと、
思わぬ展開や発見や新しく生まれる愛といったものに出会う。
それもこれも、時間という魔法が熟成させる結婚のケミストリーだ。
ひとは変わり、自分も変わる。
刺激し合い、いたわり合い、ときには雨風吹き荒れることがあっても、
結婚でしか成長できないことが確かにある。
結婚という名の生きものに、ふたりが命を吹き込むのだから。
左の薬指で、エンゲージメントリングは、ただ静かに、
そのとうとい営みをずっと照らし続ける。
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今年で結婚20年になるわたしにとっても
光野さんの言葉は心にすっと入ってきました。
『結婚でしか成長できないことが確かにある』
ほんとにそう思います。
『愛』という言葉を一切使わずに、
でも見えない愛というものの成長を語る光野さんの言葉は
とてもわかりやすく、
きっと光野さん自身が一番結婚において成長をしてきたと
感じるからなのではと思います。
すっと素直に 私も成長していきたいと思いました。
何を信じていくか、
自分のなかの、二人のなかの。
それが大事。
そしてそのよりどころとなるものがあると
それが道標になるのかもしれません。
光野さんにとってはそれがエンゲージメントリング。
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エンゲージメントリングに、
ふたりがこれから積み重ねる時間を形にして記憶させておきたかった
それをよりどころにしたかった。
結婚を決めたときの感動や喜びを、宝石の輝きに託して
毎日見つめていたかった
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そう書いてありました。
もちろんエンゲージメントリングでなくてもいいのだと思います(笑
ただ、
ダイアモンドが数十億年かけてできるその地球の神秘と、
数千年という人類の歴史の中で
ふたりがこの時代にこの時にこの場所で出逢う神秘。
その不思議さは理由なくとても美しいものだと思うのです♪
sawada june