地域格差~その3~(続々)「目的・行き先」について
次いで「外食」について考えます。
アメブロでも多くの方が「食」をテーマに取り上げられ、その楽しい様子が伺えますが、障がいのある人も同じように、美味しいものを食べに行きたいとのニーズはあります。
ガイドヘルプでのご依頼をいただくことも多いですが、利用者さんから、「一人で食べても美味しくない」、「たまには外で美味しいものを食べたい
」との事でご一緒させていただくことがありますが、その費用についても実は決まりがあります。
大阪府 枚方市では、「ヘルパーの飲食に関わる費用は、原則ヘルパー負担」となっています。 それ以上でもそれ以下でもないため、「高額なディナー」や「料亭」、「新年会」や「忘年会」・・・等では、その費用について事業所が各々で取り決めている格好となっています。
これを市町村としてハッキリと分けている例をあげてみます。
大阪府 箕面市では、「原則、ヘルパー自身が負担。ただしディナー・高級料
亭等の食事に同席し、一緒に食べることを利用者が希望した場合については
利用者負担となる」としています。
大阪府 堺市では、さらに細かく分類しており、「昼食費用については常識的範囲内で、ヘルパー自身の分はヘルパーが負担する。ただし必ずしも一緒に食事をする必要はない」。
また「喫茶店でのコーヒー代については、付き添いであることを伝えヘルパーは注文しないことが望ましいが、利用者が希望した場合の負担は利用者となる」。
そして「ディナー・高級料亭等高額な食事に同席して、ヘルパーと一緒に食べることを利用者が希望した場合の費用は利用者負担となる」としています。
これだと、「ガイドヘルパーは飲食しなくても良いし、利用者が望めばその費
用は利用者にある」との解釈が出来ます。
お店に入り、雰囲気を楽しまれている中、向かいの席で水を飲むヘルパーや、利用者が気を使ってヘルパーに奢る様子・・・いかがなものでしょうか?!
また札幌市では、食事しているケアの取り扱いについて「外出先で利用者とヘルパーが一緒に食事をした場合について、常時介護が行われている状態とはいえないため、原則として移動支援の算定対象には含まれない」としています。これと同じような解釈の市町村も他にもいくつもあります。
ガイドヘルパーは、時には朝から晩まで利用者と一緒に行動し、食事も利
用者の選んだ店で、必死になって食事介助をしながえら、その隙間に自分もサ
ッと食事を済ませるなんてことも日常茶飯事で、その時間が請求から除かれる
(つまり休憩と同じ扱い)となってしまうとなれば、当然、食事の絡むケアを事業
所やガイドヘルパーが拒む可能性が出ててきます。
高価なディナー?もその「高価」の基準は?そのボーダーはどこなのか?
ヘルパーもどうせなら「安価で自分で出すなら、利用者に高価なディナーに誘われて行きたい」など、「奢り」を目的でケアも本末転倒だと言わざるを得ません。
ちなみにうちでは、利用者から「年に1~2回、とびきり美味しいものを一緒に食べて欲しい」との要望があれば、喜んご一緒させていただきます。当然、自分の食した費用は値段に関わらず自分で支払います。
利用者から「いつも良くしてくれてるので奢ってあげる」や「コーヒー1杯くらい御馳走させて」との声もありますが、値段の安い高いに関わらず、「自分のお腹
に入るもの、つまりヘルパーの飲食に関わる費用は、原則ヘルパー負担」(※高額な場合は事業所負担とし、利用者からの負担は頂きません)としています。利用者が二人分負担しなくても、よりよい雰囲気の外食や喫茶を楽しんでいたくこともガイドヘルパーの役割であると取らえています。
一人でも多くの障がいのある人が、美味しいものを、気兼ねなく食べに行けるよう制度及び理念の追求が求められます。