~格差その2~「単価(報酬)」(続々)




前回、前々回に続き報酬単価に関連したお話です。

ガイドヘルプは「自宅 ⇒ 目的地 ⇒ 自宅」などの往復の依頼だけではなく、「自宅⇒目的地(もしくは目的地⇒自宅)」などの発着地点の異なる片道送迎の利用が可能です。



クレドでも、ガイドヘルプで多くのお問い合わせをいただくのが、この『片道送迎』です。



片道送迎の場合における請求時間は、一緒に行動した分のみが対象となります。

交通費については、片道分(一緒に行動した分)は“利用者負担”となっていますが、帰りの交通費(ヘルパーが来た経路を戻る分)については事業所毎に異なります。そのため『契約書』や『重要事項説明書』にどのように記載されているかの確認が必要です。

ちなみに『クレド』では、利用者が「気兼ねなくガイドヘルパーを利用して、必要な時に必要な分だけの利用が出来るように」と「送り」、「迎え」の片道を希望の利用者には、片道交通費(ヘルパーが来た経路を戻る分等)は原則利用者より頂戴していません。





では、単価に関するお話しですので、具体的に『通所等に電車やバスを使用して1時間の片道送りガイドを週に5回(月20回)利用した場合』の例で見て行きます。



○初回収入       

1時間×1,600円=1,600

○2回目以降の収入

1時間×1,600円×19回=30,400

収入合計32,000円 

※初回加算などの加算類はありません。

○初回支出

基本時間給(1人目:指導ヘルパー)  1,000

基本時間給(2人目:同行者・見習い)  800

同行指導手当(指導ヘルパー) 500円 

事務手当    200

片道交通費補助300円(※場合により実費支給)

           小計① 2,800

上記に加え、

※指導ヘルパーが介護福祉士等の有資格者手当 100円支給

※続けて他の利用者のケアに移動した場合の移動手当 200円支給

           小計①+② 3,100



○2回目以降の支出(一人でケアに行った場合)

基本時間給   1,000

事務手当     200

片道交通費補助  300

           小計① 1,500

上記に加え、

※担当したヘルパーが介護福祉士等で資格手当 100円支給

※続けて他の利用者のケアに移動して移動手当 200円支給

           小計①+② 1,800



支出合計 31,300円~62,000(1ケ月同行指導の場合)



収 支 -30,000 ~ 700円  




ご覧の通り、なんとか月額700円の利益からもしかすると最大3万円の赤字となります。事業的には非常に厳しい数字です。これが数カ月~数年同じヘルパーで対応し続ければなんとか黒字が出せればという感じです。

ガイドヘルプは、居宅のホームヘルプと違い報告書や日報を記入する時間や場所が無く自宅に戻って記載するなんてことも珍しくありません。まして片道1時間のケアで帰りは同じ時間を使用して無償で戻ることから決して上記の給与が高いわけではありません。事業所によっては赤字を出さないために、ガイドヘルパーの給与や手当を削減したり、利用者に交通費を請求したり、同行指導を行わない等で対応している事業所も多くあります。


「ガイドヘルパー」が本職として成り立つには、事業所の努力のみではなくやはり単価そのものの改正が必要であると痛感しています。





※市町村により、通所系の事業所等へは利用できない所もありますが、枚方市ではこの利用が認められており、市内では多くの利用者が片道のみヘルパーを利用されています。