前回に引き続き、単価のお話しです。
大阪府枚方市では、ガイドヘルプの基本単価は、1時間1,600円です。
これ以外の加算等は一切ありません。これは府下では最も低い報酬となります。
枚方市在住の利用者対象にガイドヘルパーの派遣を行っている事業所は約150カ所あります。若干のバラツキはありますがガイドヘルパーの報酬として時間給1,000円の所が多いです。この時間給1,000円は妥当かについて、安いのではないかと考えています。
例えば、1日8時間の20日勤務で16万(税引き前)となりますが、実際の依頼は「1時間の散歩」、「3時間の外食や買い物」などの短時間利用も多く、おまけに体調や天候により当日キャンセルも少なくありません。そのため毎日8時間働くには、何件もケアを渡り歩き、当然空き時間もうまれ、拘束時間は相当数になります。
このガイドヘルパーという仕事で生計を確立するにはどうすれば良いのでしょうか。
また事業所は枚方市の定めた現行単価でどこまで給与の支払いが可能でしょうか。
以下、具体的に見て行きます。
単純に1時間の依頼では、収入1,600円-支出1,000円=600円 となります。
では、1時間あたり600円の儲けか・・・?! と言うとそうでもありません。
ちなみにクレドでは1時間の依頼であるヘルパーへの支払いはこうなっています。
基本時間給 1,000円に加え 事務手当+200円、資格手当+100円、移動手当+200円等※加算をつけています。 これで1,500円になります。
なら1時間で確実に100円の利益が出るか?!と言うと、残念ながらそうではありません。
なぜならこれは一人でケアに行った場合で、クレドでは同行指導を行っての派遣を基本としております。同行指導期間は個別により異なりますがヘルパーの能力等により最低1日~最長6カ月までの期間で実施しています
それは、以前のブログで記した様にガイドヘルパー講座は、たった3日程度の研修(H・H2級資格でガイドをする場合はガイド研修を受けず)で現場に出てしまう事から、質の高いケアを提供するには同行指導は必要不可欠だと考えているからです。
ですが市からは、移動支援計画を作成したり、サ責が初回同行指導をしても加算はありません。
同行した場合は、更に同行指導手当として+500円、同行ヘルパー時間給800円の支払いが必要です。あと必要な事務費や賠償責任保険料等の経費はこの報酬からでは極めて困難になります。
「質の高いケア」を提供するには、ガイドヘルパーの意識向上、介護力向上が必要不可欠です。
ですが、果たして現行単価で、現行給与でどこまで追求していけるでしょうか。
※収入に対する加算はありませんが、給与の加算は正月や片道加算は別途支給しています。またヘルパーの資格や能力、前後のケアにより加算は変わります