大変ありがたいことに、定期的に講師として呼ばれる機会をいただいています。
介護を続ける上で、人に伝える技術もまた、自身の介護力を高める良い機会となり毎回感謝しています
さて依頼いただく講義の中で特に多いのは、大阪府指定の全身性障がい者ガイドヘルパー講座です。担当の教科は「移動介助の基本技術」、「公共交通機関の利用時の介助演習」です。
たった3日(私には1日)の講義で、明日から即現場に出せるだけの知識と技術をどれだけ伝え、身につけていただくか・・・・・う~ん、かなり厳しい真剣勝負となります。バリアだらけの飲食店でどう介護を行うのか考えてもらいます。
当日は、受講生にいくつかの質問をします。「介護をしたことのある人」、「車いすを街中で押したことのある人」、「電車利用経験のある人」など、始めの質問では上がっていた手も、どんどん減り、最後は数人の有資格者(介護福祉士等)の方がチラホラ。
そういった方も含め、基本動作や基本技術を行い、実際街に出て昼食を取るのですが、昼で混雑しており、中には「事前に予約しておく」との声もありますが、私たちも店の前を通り、おいしそうなのでふらっと立ち寄ることもあるように、利用者もそうされる方も多いです。そのため、あえて実習用で予約することはしません。
公衆トイレでも悩まれています。「片麻痺はいつも対応してるが、四肢麻痺の方は・・・」など、勝手知った施設や使い慣れた利用者宅ではなく、その場その場の対応が必要とされるガイドヘルプは非常に奥が深いです。
また「制度」についても課題はあります。
「制度」といってもガイドヘルプは、ホームヘルプとは違い、市町村毎にルールが違ってきます。「何が出来て、何が駄目なのか」(ex旅行は不可とする市町村もあれば、可能としている市町村もあります)など、受講生の勤務する予定の市町村を把握し、教科書にはない地域事情を踏まえたものが必要です。
市町村ルールも永続的に同じではなく、3月末まで不可だが、4月からは可能となるなんて事も実は多いです。
これを担当する講師の方がどこまで最新の市町村状況を把握されているかにより、正しい制度の理解度が変わります。
しかし実際の多くは、制度の成り立ちや、大まかな説明に終わり、最終日の実技終了後に「私の市町村ではどうなのですか」と質問を受けることも多くあります。
やはり伝える側にとってこの3日で資格が取得出来るというのは、いかがなものかと考えさせられます。