パクス(平和な)・ロマーナを目指し、アウグストゥスの時代が到来
巻によって異なるコインの表紙のローマ人の物語。最初のページで、表紙のコインについて解説があります。14巻のコインは、この巻からの主役であるアウグストゥスの顔が彫られている金貨。
カエサルの暗殺後、カエサルが書いた遺言により、オクタヴィアヌス(アウグストゥス)が、最高権力者となります。ちなみに、オクタヴィアヌスは平民出身。古代ローマの人々は、名前を聞いただけで、階級が分かるくらいだったので、威厳を保つためにも、カエサルはオクタヴィアヌスを養子に向かえ、
ガイウス・ユリウス・カエサル・オクタヴィアヌス
と改名させています。
ローマからは、功績を認められて、アウグストゥスという称号をもらったため、オクタヴィアヌスもアウグストゥスも同一人物。
ハンニバルを破りローマを窮地から救ったスキピオも、ローマ人としてアフリカに乗り込んだ功績をたたえ、アフリカヌスという称号をもらっていますが、ローマはこういう形で称号を与えることが多い。
アウグストゥスは、カエサルのように万能ではなく、特に軍の指揮の能力は高くなかったようで、その点で能力に長けていたアグリッパとコンビを組み、ローマの改革を進めていきます。アグリッパと組ませたのも、暗殺されたカエサルの遺言の意向によるものですが、さすがはカエサル。人を見る能力にも長けていたようで、生前からきちんと考えていたんですね♪
カエサル像。マーヴェリックが、ものすごいオーラーを感じる彫刻のひとつ。
カエサルは、指導者に求められる
知性・説得力・肉体上の耐久力・自己制御の能力・継続する意思
すべてを持っていた。とイタリアの教科書で書かれているそうです。
また、
ローマが生んだ唯一の創造的天才
とも言われます。
ローマの歴史には、たくさんのカエサルが出てきますが、漫画テルマエ・ロマエの4巻で、小達さつきが母親のアドバイス通りの「質実剛健・不屈の男」として、伝記を読んで夢中になったのは、このカエサル。
そんなカエサルも、パルティア遠征を数日後に控えた、3/15の元老院会議で暗殺されていまします。パルティア遠征の目的は、防衛ラインの確保や、以前パルティアにローマ軍が破れ、捕虜になっている仲間の救出、そしてローマ軍を象徴する銀鷲旗を取り戻すことでした。
これを、カエサルの死後、アウグストゥスが実現させます。
もし、カエサルがパルティアに行ったら、いきなり武力行使にもちこんでいたかもしれませんが、アウグストクスは、平和に外交で問題を解決しました。ただ、銀鷲旗を取り返し、防衛ラインも確保することに成功したものの、捕虜となったローマ兵だけは、時すでに遅し。現地での過酷な労働で、すでに全員が亡くなっていたようで、捕虜奪還はかなわなかったようです。
アウグストゥスの時代は、カエサルやスキピオとかのように、派手な戦闘などはほとんど起きず、巧みな外交や水面下で改革を進めていく時代。
武力行使だけがすべてではない!
と考えさせられます。
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