アベノミクスの3本の矢のひとつに位置づけられている「成長戦略」に、日本の未来を託せるだろうか。

 カジノ解禁、原発と兵器の輸出、TPP参加……。「岩盤規制の撤廃」の名ですすめられる政策のどれをとっても、とても将来を展望した戦略と胸を張れるものはない。

1955年鳩山内閣の下で、戦後初めての経済計画が策定された(「経済自立5カ年計画」)。 それを皮切りに、1999年小渕内閣の「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」まで、14本の「経済計画」が策定されている。

それぞれ5年から10年という計画期間をもち、問題点やゆがみをはらみつつも、日本の経済全体に責任を負う自負心にもとづく計画 だったと思う。

最初の「経済計画」にかかわった経団連初代会長の石川一郎氏は、雑誌「経団連月報」で次のように述べている。

 「自由主義・資本主義という問題ですが、いったい自由とは何だということです。

  ……資本主義といっても、それは資本家の自由勝手ということではない。ある規制をされた範囲内においての自由です。

  ……いままでの自由放任主義というのは、そこに規制がなかったから、各人の努力が散発的になってしまい、それを組織化して効率化することができなかったと思う。

 だから資本主義といっても、やはりある程度の制約をどうしても加える必要がある。

  とくに資源が少ないわが国などでは、資本の使い方には、どうしてもある規制は必要 です」 と。

 計画自体には、いわゆる「重厚長大」産業への傾斜的な経済政策、著しく低い食糧生産への問題意識など、問題はたくさんある。
 
  しかし、石川氏のこの発言は、忌まわしい小泉構造改革を「進化」させて再現するアベノミクスへの厳しい警告ともなっている。

  経済企画庁を廃止して、計画経済を放棄した今の自民党は、国民経済全体に責任を果たすという意識も気概も失ってしまったのではないだろうか。

  日本共産党は、包括的な経済政策として1970年代に「日本経済への提言」を、1990年代に「新・日本経済への提言」を発表してきた。

  そしていま総選挙を前にして、国民生活を第一にした経済政策への転換を訴えている。 手前味噌となってしまうが、「保守」を辞任 する多くの他方々に、ぜひ一読願いたい政策文書だ。http://www.jcp.or.jp/web_policy/html/2014-sousenkyo.html