たいがい
日曜日になると
埼玉県狭山に住まいを落ち着けた弟から
父に電話がかかってくる。
内容はいつも同じです。
「父ちゃん元気にやってる!」
「他のみんなはどう!」
「おう!みんな元気だぞ」
「こっちもなんとかやってるから」
「寒くなったから、風邪に気をつけてよ」
「おうおう、分かった分かった」
「米まだあるか?野菜送らんでいいか」
「まだある。無くなったら言うからお願いします。」
「じゃあ、またかけるから」
「おうおう、わざわざありがとう!」
広い日本の中の
小さな町の
屋根に雪が積もった
集落のうちの一軒の我が家の中で
父と弟は
いつもの会話をして
電話を切りました。
屋根から落ちた雪が
パシャンとひとつ音を立てました。