あれは2000年代後半
私の元へ一本の電話が。
「日系の飲食企業がLAで店を開ける。
新規店舗立ち上げ含むマネージメントが
できる人間を探している。」
その時、丁度他の新規飲食店の
バーマネージャーとして
立ち上げを行っている最中でしたが
アメリカではありがちの工期の大幅遅延があり
私の役割部分の準備はできていましたが
ただただ待ちぼうけしている時期。
そうなると会社としては
遅延による資金繰りがただでさえ大変なのに
私への(安くない)給料も負担になる訳で。
実際の稼働までの給料交渉している
そんな時期でもありました。
さて
「突然そんな電話がかかってくるの?」
っと思う向きもあるかもしれません。
どうですかね、他業態、人、スキル、
そこらへんはわかりませんが
隙なくとも私の場合はこういった
所謂、ヘッドハント的な電話は
まぁまぁありました。
その背景として私の考察ですが
人材不足の業界・業種はいつもどこかにあり
ポジションによっては
普通の求人ではなかなか見つからない
そんな事もある訳で。
例えば飲食店は常に人材不足な業界ですし
それの立ち上げができる人材
となるともっと絞られます。
更に、求人を出したところで
その絞られた中での人材が
求職中でその広告を見なければならない
そんな条件が揃うのは
なかなかの低確率です。
なのでヘッドハント、人材紹介の会社は
アメリカではいつも需要がありますし
日本でもここ数年で定着しましたね。
さて、
その当時の私のスペックを言うと
1、日本人でアメリカ永住権を持っている
2、英語力がそれなり(サービス・ビジネスレベル)
3、飲食店のフロント(サービス)本業
4、和食を知っている
5、ワインや日本酒の知識がある
6、店の立ち上げを数回経験している
そんな感じでしょうか。
補足として
まず1ですが、
これはアメリカで仕事を得る場合
かなりのアドバンテージになります。
なぜならそう言う人が極端に少ないから。
アメリカのビザのハードルは極高です。
続いて2と3ですが、
日本人にとって英語は難しい言語です。
なので、飲食店で働いている日本人は
語学があまり必要ないキッチン、
主に寿司職人になります。
観光地のグアムと違って
本土でのサービスやマネージメントの仕事は
英語力ががっちり必要なので
やってる日本人は少ないです。
4と5ですが、
当然普通に知っているレベルの話ではありません。
んでお酒の知識ですが
料理人がお酒を知っている、
そんなレベルの話でもありません。
本土でのサービス係は
店によりますが
かなりの知識を持っていなくてはいけません。
それは考え方として
「その店の商品をお客さんに売る営業担当」
だからです。
単にオーダーを受けて料理を運ぶ
グアムのそれとは大きく異なります。
ま、グアムのそれがダメとかでなく
アメリカとは違う、と言う意味です。
なので
よりお客さんが望む商品を
そしてできたら高額な商品を
売る知識と話術が必要になります。
その知識を得るために
自分のお金を使って自分で勉強します。
すなわちプロですね。
んで、私にはその知識が
特に食事の際に一緒に楽しむ
値段がピンキリのワインや日本酒の
知識が豊富にありました。
6ですが、
立ち上げ(開業)は一つの店で1回だけなので
これはアメリカだけでなく
単に機会が限られます。
私は運よくその時すでに何店舗か経験していました。
また、
アメリカは言わずとしれた契約社会。
英語読解力に加え、法律の知識も必要になります。
法律と言えば労働関係も特に大切です。
グアムに移住してから
とある飲食店のマネージャーに
「労使関係の法律まで詳しいのですね」
と言われ一瞬意味がわかりませんでした。
何故なら、アメリカの場合
マネージャーは法律を知ってて当然、
逆に言うと
知っているからマネージャーになれる
と言えます。
日本(やグアム)のマネージャー職の概念とは
責任から権限まで大差があると思います。
さてそんなスペックの私がいて、
そして何度目かはわかりませんが
丁度日本食のブームが来ました。
時代が丁度そう言うスペックの人材を
探していたのでしょう。
タイミングも良かったと思います。
さて、そう言う話はどこからくるかですが
過去の実際の話で言うと
業者さん、酒類卸から一度と食品卸から一度、
ありました。
あとは人材斡旋・紹介業者。
これには2種類あって
事前にそう言う会社に登録して
待っておく場合と、
そう言った会社から突然個人の電話に
連絡がある場合です。
ま、個人情報が漏れていると言えば
そうなのですが
履歴書の内容なんて
どこかでどこかに漏れている
と考える方が普通だと思います。
んで、情報流出された方も
その程度は気にしない、
また、
その程度の情報(住所や電話番号、メルアド)を
悪用する人はアメリカは少ない気がします。
少し話がそれましたが
紹介業者から突然勤め先の電話に
かかってくることもありました。
「〇〇マネージャーはいますか?」
と。んで
「〇〇のシェフの〇〇さんから貴方の事を聞きまして。
経験豊富でスキルもある」
的なノリです。
アメリカの会社なので当然英語です。
んで、
簡単な経歴やスキルの質疑応答があり終了。
ま、登録完了ですね。
こう言う事(会社)が3、4回あった記憶があります。
んで、実際そこから(だと思う)
転職案件の連絡もありました。
日本の場合は
「人は採って育てる」
向きが強い(かった)と思いますが
アメリカでは
「できる人を採る」
と言うのが一般的だと思います。
そして、
日本も大分アメリカ式になってきた気がします。
結局、
アメリカではずっと以前から
(日本では最近になってから)
被雇用者がずっと自社に止まる訳ではない
と言う前提の元、
人よりスキルを見てきた
(または見るようになってきた)
と言えると思います。
そうなった場合、
学校の成績も大切でしょうが
人と違ったこと
人には出来ないこと
人がしていない経験
がより重要視されてきます。
そして、求職側からすると
それらを活かせる
場所、会社、タイミングを見つけることが
重要になってくると思います。
異なっていて それで良い
最後にグアムですが
旧式日本に近いと思います。
ただし、労働者の一箇所での定着は
アメリカよりさらに短いです。
そして、スキルよりコネが強力です。
それはそれで良いんでしょう。
5年後や10年後、
世界との違いが歴然となる気もしますが。