今の会社に一生勤めるつもり、という新入社員が増えているのだそうだ。分析云々以前の問題として、これだけ不景気が当たり前の時代になってしまえば、こういう結果が出てくるのもうなづけなくもない。

ただ、2000年の調査時には今の三分の一程度の新人しかこう答えていなかった、と言う事と考え合わせてみると、本当に「おいおい、ホントに君たちそれでいのかよ!」とオジサン的(?)な疑問も出てきてしまう。

景気が良ければ独立志向が高まり、悪ければ守ってほしくなる。う~ん。なんだか自分のキャリアを環境任せにしすぎていないか?

比較の問題だろうが、確かにまぁ安定的と見られるであろう選択肢はある。でも、それが職を誰かに守ってもらうという意味でそう思うのなら、安定以外の全てを捨て去ってまで、その安定とやらを手に入れる必要があるのではないか。その覚悟があったうえで、いわゆる安定している組織に就職(社)したいのか。

少々極端な物言いかもしれないが、やりたいことはやらせてもらえず、常に上から指示された通りの事をやり、もちろん結果も求められ、たとえそれが苦手な事ややりたくない事であっても、文字通りず~っと滅私奉公していく覚悟があるのなら、それはそれで素晴らしいと思う。

いやそうでなく、やりたいことはやらせてもらえて、成長の機会も存分に与えてもらい、経済的にも恵まれ、職の確保も保障されている、そんな環境で働きたい、というのであれば、なんと言うかもうそれは、妄想と言われても仕方がないのでは?

新人であれば、確かに社会経験も少ないわけだから、色々想像力を働かせ自分のキャリアを展望するなんて事は難しいかもしれない。でも、夢破れた先輩たちの姿(?)を妙に現実的に眺めるよりは、根拠のない自信や勢いがもっとあっても良いのではないかとも思う。それは妄想とは言わない。それは何かをつかむための、きっかけにつながるのだから。