今私の音楽の授業では、入学したばかりの一年生にバンバン歌わせています。
その中で、去年の東日本大震災後に、サントリーが企画したCM「上を向いて歩こう」のCMを見せました。
これは、歌手、俳優、スポーツ選手など、のべ120人もの人達が「上を向いて歩こう」を一節づつ歌っているように編集してあり、いくつものバージョンがあります。
あの「We are the World」は、当時のアメリカのトップミュージシャン達が豪華出演しているのですが、この日本版は、歌の上手い人もそうでない人も、多様な人達が多様な歌い方をしているのです。
これを見ると、歌は上手い下手ではないということが良く分かります。
いろんな人達が、その人なりの思いをこめて歌っているから心を打つのです。
そのCMを何バージョンも見た後、
「君たちが君たちなりに、自分の思いを辛い立場の人に伝えるのに一番良いと思う歌い方で歌ってごらん。
大きな声でも、呟くような声でも、自分なりの伝え方で歌ってごらん。」
と言います。
すると、すばらしい歌声が引き出されてくるのです。
想いがいっぱいつまった声が、びんびん伝わってくるのです。
涙を流しながら歌っている子もいます。
早い段階で、歌を歌うと言うことの真の意味を理解し、その感動を体得させれば、あとは自然に歌えるようになるのではないかと感じます。