先週、NHKドラマ「フルスイング」の再放送とともに、
「もうひとつのフルスイング」が放送されました。
「フルスイング」は、プロ野球の名コーチとして、落合、イチロー、田口など、のべ30人以上のタイトルホルダーを育てあげた高畠さんが、59歳で高校教師として、生徒をはぐくんでいく様をドラマ化したものです。
今回、「もうひとつのフルスイング」として、実際の高畠さんのことを知ることが出来ました。
高畠さんのプロ野球人生は、挫折体験からはじまります。
プロ入り直後に故障。
20代でコーチになりました。
彼が優れたコーチだったのは、「褒めて育てる」姿勢に徹したからです。
10のうち9は褒めたそうです。
彼の下からは、幾多の名選手が育っていきました。
ダイエーホークスの打撃コーチだった時のことです。
福岡ドーム完成の年、広くなった球場に選手が力みすぎ、
チーム打率はリーグ最下位となりました。
「自分は何をやっていたんだ。
選手の心を支えきれなかった。」
この反省から、彼は大学の夜間部に通い、教師を目指します。
高畠先生は、生徒に対して謙虚で、真摯な姿勢で接しました。
常に生徒の心に寄り添う教師でした。
高畠さんが、プロ野球をやめてまで、生徒達に教えたかったのは何だったのか、
高畠さん自身の言葉です。
「まずやはり耐える力ですね。我慢する。
逃げ出さないことであり、粘り強くやり続けるという根気、
その辺が付いてくれば、それが才能になると思います。」
高畠先生が赴任した筑紫台高校に、鬼監督と恐れられていた剣道部の先生がいました。
日本一をめざすその金森先生は、
「生徒の弱いところを鍛え直して強くしよう」としていたのです。
その金森先生に、高畠先生は言います。
「コーチの仕事は教えないことだよ。
高めの球に手を出して三振する選手に、高めに手を出すな、高めに手を出すなと言うほど、高めに手を出してしまう。
その選手のいいとこばかりを褒めて、ずっとそのことを言ってあげる。
そしたらいつの間にか、高めの球に手を出さなくなる。
本人達のモチベーションを高めるのがコーチの仕事だよ。」
この高畠先生の言葉で、金森先生は指導方針を転換。
剣道部を見事念願の日本一に導きます。
高畠先生は、ガンに冒され、教壇を去ることになります。
その最後の授業で生徒に語ったのは、「氣力」という言葉でした。
「このあと君たちには多くの困難があるだろう。
しかし、この氣力でどんなことでも乗り越えなさい。
氣力で立ち向かって、どんなことにも逃げるな。」
高畠先生が遺した「成功のための7箇条」です。
①素直であること
②好奇心が旺盛であること。
③忍耐力があり、諦めないこと。
④準備を怠らないこと。
⑤几帳面であること。
⑥気配りが出来ること。
⑦夢を持ち、目標を高く設定することが出来ること。
高畠先生の生き様、遺した言葉は、私たちに、人間として、教育者として、いろいろなことを教えてくれます。
高等部生徒の「職業」の授業にも、取り入れたいことです。