12月20日放送 NHKBShi 「名曲探偵アマデウス」より
この日は、年末恒例の曲、ベートーベンの第九交響曲がテーマでした。
第4楽章の冒頭部のチェロ、バスによるレシタティーヴォの部分には、
もともとベートーベンは、その名の通り歌詞を書き込んでいたのだそうです。
「いや、これは我々の絶望を思い出させる」
{第1楽章の主題の回想があって}
「いや違う、これではない。
私が求めているのは好ましいものだ」
{第2楽章の主題の回想があって}
「これも違う。さっきのに比べて、ただちょっと陽気なだけだ」
{第3楽章の主題の回想があって}
「これも違う。優しすぎる。
もっと快活な調べを探さなければならない。」
そこでやっと、チェロ、バスが「喜びの歌」の主題を静かに奏で始めるのです。
この、誰もが知っている「喜びの歌」、誰もが歌いやすいわけがあります。
順次進行で5度以内のメロディ、
ほとんどが4分音符という安定したリズムで出来ているからです。
二重フーガの部分は、「喜びの歌」と「口づけの主題」という2つの違ったメロディが、
パートを入れ替えながら、壮大なフーガとして演奏されます。
2つの世界観が一体化し、多くの人が喜び合っている様を表しているのです。
こうして分析されると、なるほど第九がいかに素晴らしい曲であるかと言うことが、よくわかりました。
でも、ベートーベンの時代から200年もたって、
やっぱり2つの世界観の対立という構図は、融合できないのでしょうか。
いえ、それだけに、よりこの曲が愛されるのかもしれません。