9月14日NHKFMで放送の「ヴィヴァ・合唱」より
この番組は、今日本の合唱界のトップリーダー、松下耕さんがプロデュースしてDJまでやっている合唱番組です。
松下さんの個性丸出しの選曲とDJは、まさに生の合唱そのものの素晴らしい世界に案内してくれます。
先日の放送は、武満徹の「うた」の特集でした。
武満と言えば、難解な現代音楽かと思われるかもしれませんが、
映画音楽や、ポップな歌曲も書いています。
CDについては、この下をクリックしてみてください。
風の馬/うた 武満徹 合唱作品集 [邦人合唱曲選集]
その中の「死んだ男の残したものは」は、ベトナム戦争の時の反戦歌です。
1.死んだ男の残したものは、1人の妻と1人の子ども
他には何も残さなかった。
墓石一つ残さなかった。
4.死んだ男の残したものは、壊れた銃とゆがんだ地球
他には何も残せなかった。
平和一つ残せなかった。
この谷川俊太郎さんの詩は、私も歌いましたが、心に深く入る名曲です。
松下耕さんも、この曲を流したあと、あふれそうな感情を必死で押さえながら、次のように語っていました。
少し長いですが、そのまま再録します。
僕たち合唱人は、平和を求めて歌っているわけですよ。
何も武器も持たず、ただ口を開けてね。
バカみたいですけどね。
そんなんで平和がやってくるんですかね?なんて言われそうですけどね。
信じちゃってるわけですよ。
でもね、皆さん。丸腰ほどの武器は無いんですよ。
合唱をしてる人たちが本当に一つになったら、一体何十万人が叫ぶことになるでしょうかね。
世界は今、何を規準で動いているんですかね。
お金ですかね。モノですかね。
そして、僕たち人間の日々の暮らしっていうのは、一体何を規準に動いているんでしょうかね。
感覚、感情、そんなものに支配されてるんじゃないでしょうかね。
感覚が失われつつある現代って言うのは、とても危うい、と思います。
合唱は、現代の取り残されたプリミティブな、あるいは基本的な人間のあり方の一つの形じゃないかって思いますね。
機械化できない最後の砦、とでも言いましょうか。
これからも僕たち合唱人は単純に叫び続けますよ。
「武器を捨てよう」と。