漱石の「草枕」を読み始めました。
これは、ピアニストのグレン・グールドが、「草枕」を愛読していたと知ったからです。
カナダ人のグレン・グールドと夏目漱石がどんな関係があるのかと思い、
まずは読んでみようと思ったのです。
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安いところへ引っ越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生まれて、画が出来る。」
この有名な冒頭部、今の私の心境にぴったり来ました。
そういう時、芸術が生まれるのですね。
アニメ映画、「河童のクゥと夏休み」をDVDで見ました。
とてもいいお話です。泣けます。心温まります。
人間社会に対し、自然の中がいかにのびのびと自由であるか、身にしみました。
漱石がイギリスに留学しているころ、エルガーが「威風堂々」を書いています。
音楽界では、後期ロマン派から近代の作曲家たちが活躍していました。
産業革命後、次第に人間と自然は離れてゆきました。
漱石はかの地で大きな失望を味わっています。
精神を病んだり、胃潰瘍になったりしています。
本来、ホモ・サピエンスは、自然の中に生きる動物でした。
人間が自然から乖離してしまっては、ストレスをいっぱい感じます。
私は、勤務先の学校の周りの田園をよく散歩します。
ハイリゲンシュタットとは違って、水田地帯です。
そして美しい音楽を聴きます。
こうやって、心を取り戻そうと、現実からあがいています。