BS-hiで、「アインシュタインの眼」という番組があります。
先日の番組では、発声法、共鳴法、呼吸法について、
最新の医学機器を用いて、わかりやすく解明していました。
今までにも、声帯のファイバースコープ映像などを見たことはありますが、
ここまで、発声について総合的に、医学的に解明したものを見たのは初めてです。
「サウンドスベクトリグラム」という機材を用いて、歌手の出す声の振動数や音圧を測定します。
一般の人は、2000Hz以下に多くフォルマントが表れるのに対して、
訓練された歌手は、3000Hz付近に多くフォルマントが発生します。
これが、singer`s formantと呼ばれるもので、独特の響きのもとになるものです。
それを出すために、プロのクラシック歌手は、「声帯の位置を下げる」ということをしています。
一般の人と、プロの歌手は、声帯の位置が1cm違います。
たった1cmの高さの違いで、共鳴腔の深さがぐんと違って、深い共鳴が得られるのです。
これが、「動的MRI」という装置で、ハッキリわかりました。
次に、呼吸法です。
「シュリーレン」という、目に見えない空気の流れを映像化する装置で見ると、
プロは、最小限の空気を効率よく使って声を出していることがわかります。
これも「動的MRI」で横隔膜の動きをみると、
プロは、声を出し始めてもすぐに横隔膜が上がってゆかないのです。
すなわち、発声時に、横隔膜の上昇をゆっくりと抑えて、空気を浪費しないということが、わかりました。
声楽の勉強というのは、不随意筋を動かさなくてはなりませんから、どうしてもイメージに訴えるような言葉での指導になりがちです。
それが、誤解を生むもとになったりします。
こうやって、科学的に映像で見せられると、すっきりと納得できます。
発声指導の良い教材になると思いました。