同期も全員退職をしてからというもの、


自分のライバルは上の先輩となっていました。



『こいつら、全員抜かしたる!』




そんなことをいつも思ってました。




1年が過ぎ、自分にも後輩もでき、


後輩をうまく使って営業をうまく切り盛りしていました。



後輩はやはりかわいいもので、


なにかと面倒を見ていた気がします。





その時期は、一番先輩に対して


反抗的だったことを覚えています。



言われること、されること、全てがいちいち勘に障るという感じです。(かなり生意気だったと思います・・・)



でも、そんな反抗的にしていても、やはり自分は後輩。



最終的には渋々言うことを聞いていました(笑)




今思えば、


自分の技術もかなり幅広くできるようになって、


店長からもいつも仕事をさせてもらえるようになって天狗になってたのかもしれません・・・





後輩に対しても、ちょっと偉そうに口を聞いていました(笑)



でも、後輩はそんな自分でもすごく慕ってくれていたのを覚えています。




入社してから、2年半年後には、カットの練習も始まっていて、


ベーシックな勉強をずっとしていました。




とにかく、早くカットの練習も終わらして、モデルカットも終わらして、


早くデビューして先輩を抜かしてみせる!




カットの練習は、営業後深夜12時過ぎまで


1人で練習していました。




ただただ早くカットの試験に合格するために。

その後、


京都河原町にある美容室に面接に行きました。


これもまた、特に深く考えず・・・



その美容室は、ビルの中にあったのですが、


そのビル自体が雰囲気が好きだったので・・・という理由だけです(笑)



その当時の自分の格好は、


アメリカ西海岸系のダッボダボの服装に、ピアスをガンガンつけて、髪はド金髪の


はっきり言って、ただの輩に近いと思われる格好をしていました。



面接は女性の店長さんで、ニコニコしながら一言目。









『君、おもしろいね』








そして、10分ほど面接をして(面接というより雑談に近かった)




そして、こう言われました。





『育てがいがありそうやし、採用します。いつから来れる?』







まじっすか!?こんなんで大丈夫なん!?



って、内心思ってましたが、見た目ヤバイ自分に対して、


店長は暖かく迎えいれてくれました。






そして、ドキドキの出勤初日、


朝一番に到着。





たくさんの先輩、美容に関してわからないことだらけ・・・




毎日がある意味追われていました。


けど、その分充実もしていました。





当時、自分と同期の子達があと3人いたのですが、


みんな、美容学校はもちろん卒業していて、それなりの知識はありました。


それに比べ、自分は『美容学校ってなんですか?』と聞くぐらいの知識の無さ(笑)






でも、同期にはなにがなんでも負けたくないという想いだけで、


めちゃめちゃレッスンに打ち込みました。





毎日シャンプーのレッスンで、先輩の服ベシャベシャにし(本当にひどかった・・・)、


毎日カラーやパーマのヘルプで、先輩に怒られてました。





だんだんと美容の楽しさ、接客の難しさが分かるようになって、


自分もそれなりの技術ができるようになった約1年後、


気がつけば、同期の中で一番になっていました。





そして、同期は1人だけになっていました。


彼女は自分の同期ただ1人になってしまった、大切な仲間なので、


『一緒に頑張ろう!』と励ましてました。(というか、一方的に・・・)







しかし、その半年後、唯一の同期は会社を去っていきました。







理由は、『手荒れがひどくて、ドクターストップにかかってん』






自分も手荒れがひどくって、アカギレがいっぱいできていました。


普通の水でさえ、しみる状態で、モノも持ちにくい状態です。


自分だって本当は手荒れとか嫌で嫌で仕方ありませんでした。




けど、先輩や店長は


『手荒れは美容師の誇りやで、そんなけいっぱい仕事してる証拠や』





この言葉を聞いてから、


手荒れを理由にどうこう考えようなんて思わなくなってました。



だから、この同期の一言には、


本当にショックで、怒りさえも出てきましたが、


でも、自分の道は自分で決めんとあかんやろなって思い直し、


同期を見送りました。





それからは、同期がいない状態で、


一生懸命もっとうまくならないと、という想いだけで毎日を過ごしました。





自分が美容師になろうと思った20歳の時、


どこの美容室がいいとかまったく気にもかけず、


とりあえず近場で探して、


面接を受けてみました。



京都の西院にある(今はもう閉店してるみたいですが・・・)美容室に面接に行きました。


初めての美容室での面接・・・


何をしゃべって、何をアピールして、何を感じ取ればいいのかさえ全く分からない状態。



面接は、店長さんにしていただき、


少し店内の様子を見せてもらうため、アシスタントの方に色々と説明をしてもらってました。



でも、自分は美容というものが初めてだったので、


説明されても 『ふぅ~ん・・・』状態(笑)



ちっともピンときていませんでした・・・





まぁ、最終的には自分の立場も考えず、こちらから『もう少し考えます』と言って、


その店には行きませんでした。




振り返ると、自分って何様やったんやろうって、本当に申し訳ないと思ってます。


今、そのときの店長さんとアシスタントの方に会ったら、土下座したい気持ちです(笑)