メスティアへ、鉄道とバスでの移動
トビリシに2泊し、次はジョージア北西部のスヴァネティ地方の町、メスティアに移動する。
スヴァネティ地方は、先住民族であるスヴァン人が暮らす、3000~5000メートル級の山々に囲まれた絶景の地。
なかでも「上スヴァネティ」と呼ばれる地域は、建造物群と文化的景観がユネスコの世界遺産に登録されている。メスティアはその中心となる町だ。
人気の観光地だが、あまり行きやすくはない。
乗り心地のいいとは言えない小型バスで8~9時間かけて直行するか、列車で6時間、その後バスに乗り換えて3~4時間と、10時間以上かけて行くか。フライトもあるが天候不良で欠航が多いとのこと。今回は鉄道とバスの組み合わせを選んだ。
(鉄道駅のトビリシ中央駅。撮影は前日。左にちらっと駅の建物と、現役の列車が見える。右にある落書きだらけの列車はさすがに廃車)
ジョージアは鉄道があまり発達しておらず、ごく一部をのぞくと、マルシュルートカと呼ばれる小型バスでの移動になる。快適さに難があるのに加え、いつどこから乗れるのかもわかりにくく、ジョージア旅行のちょっとしたハードルではある。
列車で6時間かけてズグディディへ
この日は朝7時にホテルをチェックアウトし、犬に追い立てられながら地下鉄で鉄道駅へ。前日に下見したので安心だ。地下鉄駅に隣接で迷う要素はなそうなところだが、鉄道駅とは思えない建物だし、案内板も見つからないし、建物に入っても駅があるように見えないし、改札もないし、そこそこわかりにくく、下見しておいてよかった。
(この車両は残念ながら人気のリゾート地であるバトゥミ行き)
上の写真は前日に撮ったホームの様子。改札はないので乗車口まで行ける。ホームはぼろいけど列車は新しくてきれいなので期待を高めたが、わたしが乗る車体は全然違った。古くて小さい。2階建てでもない。写真は撮り忘れ。

(オンライン購入では座席を選べなかったけど、窓際だった。駅前の売店で買ったほうれん草入りのパン(3ラリ、約170円)をかじりながら)
予約が完了すると電子チケットが届く。プリント不要で、乗車時にスマホのバーコード画面を見せればいいとのこと。結構進んでるじゃん! と思ったが、実際は係員がパスポートを確認し、紙のリストで名前を照合するだけだった。なぜにバーコード。
座席の並びは新幹線と同じ2-3。車体は古いが、ボロボロというほどでもない。車内販売などは、少なくとも2等車はない。

山が多くてのどかで、そこに突然旧ソ連ぽい建物が見えたりして、飽きない。観光客多くて治安悪い空気ではないので、居眠りしたりごはん食べたりで、結構あっという間に6時間。
マルシュルートカで絶景の山道を行く
定刻どおり、14:20頃ズグディディ駅到着。ここからマルシュルートカと呼ばれる小型バスに乗り換える。駅前の広場に、旅行者から見ると無秩序にバスがわちゃわちゃ並んでいる。行先表示はジョージア語だけの車両も多い。メスティア!と叫んで歩けば、みんな方向を示してくれる。
メスティア行き発見。カオスをすり抜けしれっと乗り込んで1人席を確保してから、スーツケースを預けに行く。
満席になって全員の荷物を積み終わると、運転手さんがバス代を集めに来た。35ラリ(約1,900円)、現金のみ。見てると、乗り残しがないように運転手どうしが連携し、荷物も協力して積んでいた。料金も同一らしい。
バス旅はコーカサス山脈の懐深く、標高高く、狭くくねった山道をなかなかのスピードで飛ばしていく。それはそれは見事な景色だ。見とれていて、写真撮ってません。
ちょっと長めの休憩タイム。小さいカフェと売店がある。ここからの眺めはあまり開けてなくて、絶景撮れなくて残念。
一度、カーブを大きく回った先に壮大な山並みがドカーンと開けて、圧倒された。同時に、自分がいかに危険な場所にいるかも強烈に意識されて、眺めを楽しむにはいたらず…。
走ること3時間半、18:30頃メスティア到着。まだ明るくてほっとした。乗り心地がいいとは言えず、座席が滑って体が安定しないこともあり、短時間ながら結構疲れた。
伝統料理クブダリ
メスティアは小さく静かな町だ。ホテルはバス停から5分強のところ。ホテルで荷物を下ろして、またすぐに中心部まで戻ってレストランを探す。
いい感じにカジュアルで落ち着いていて、ひとり客もいるレストランを発見。

軽く肉とパンが食べたいと言ったら、「これを選んどけば間違いなし!」と勧めてくれたのが、「クブダリ」。値段は忘れちゃった。
スヴァネティ地方の伝統料理で、薄い小麦粉の生地の中にスパイスで炒めた肉と玉ねぎがぎっしり詰まった、パイのようなもの。肉汁もたっぷりで、とってもおいしい。かなりデカいので、半分はテイクアウトして明日の朝に。食事は当たりが続いて幸せだ。
夜は早々に部屋にこもり、おやすみなさい。