半蔵門ミュージアムに初めて行ってみました。
真如苑という仏教教団が所蔵する文化財を展示する施設で、ギャラリーはこじんまりしているものの、併設のシアターとホールでは仏教文化に関する解説映像やレクチャーも視聴できます。
いま開催されている特集展示は、「音を観る ―変化観音と観音変化身―」。14~15世紀に日本で制作された、いろんな観音様の絵画や彫刻が展示されていました。
観音菩薩、いわゆる観音さま、は、救いを求める人々の声を自在に観察して、即座に救ってくれるという菩薩さま(菩薩は仏になるための修業中の人)。
どの作品も落ち着いた佇まいで、しみじみ、じっくりと見入ってしまいました。
そのなかに「阿弥陀聖衆来迎図」がありました。阿弥陀(あみだ)さまご一行が人間界にやってくるところを描いたもので、そのご一行のなかに観音様もいる。きっと、一度は目にしたことがある図柄ではないかと。
この阿弥陀さまは、死者を迎えに行くところ。人が死んだらこうやって、阿弥陀さまや菩薩さまが極楽浄土に連れて行ってくれる、と思われていた(思いたがられていた)のですね。
ちょうど今、南無阿弥陀仏を広めたひとり、親鸞聖人の本を読んでいるので、時代はやや違いますが、その頃の時代背景を思い浮かべながら見ていました。
常設展示は、《ガンダーラの仏教美術》と《祈りの世界》の構成。
2~3世紀にガンダーラ地方で作られた釈尊像や、言い伝えの世界を石に彫ったものとか。展示を見るより先に、3階のシアターで「ガンダーラの仏教美術」という解説映像を見ていたので、どの場面が描かれているかがわかって、楽しめました。
展示点数は多くなく、派手さもないですが、そのぶん一点一点をじっくり、静かに堪能できてよかったです。
2階に小さなミュージアムショップと、コーヒーマシーンが置かれたラウンジもありました。半蔵門駅を出てすぐの立地で、しかも入場無料。なにかの合間にふらっと立ち寄って仏様と向き合える、いいところです。