クラクフのユダヤ人街、カジミエシュ地区。「シンドラーのリスト」の舞台でもあります。第二次世界大戦でこの街のユダヤ人も多くが殺され、街は荒廃。近年になって再開発が進み、しゃれたカフェやショップが並ぶ観光地になったということ。

 

 

旧市街からてくてく30分くらい歩いただろうか、なんとなくブルックリンを思わせる雰囲気に変わったと思ったら(ブルックリン、行ったことないが)そこがカジミエシュ地区だった。

 
点在するシナゴーグ(ユダヤ教の礼拝所、集会所)のいくつかは、見学ができた。
 
 
上の写真は、ユダヤ博物館にもなっているスタラ・シナゴーグ。落ち着いた装飾が温かみがある。写真でかつてのユダヤ人の暮らしも垣間見れて興味深かった。
 

 

こちらは別のシナゴーグ。
ステンドグラスから注ぐ赤と水色の光が美しい。

どこかコミュニティの寄り合い所のような、親しみを感じさせる場所。
 
 
 
建物を出ると、墓地があった。
 
 

墓地の入口に何枚ものプレートが貼られていて、英語で書かれた1枚だけが読むことができた。

「殺されるべきではなかった、愛する○○家の人々の思い出のために。ナチスのホロコーストによって殺された88人の家族の魂が、永遠に安らかでありますように。生き延びた○○より」。

ほかはヘブライ語で読めないけれど、こんな悲痛な心で溢れているのだろう。
 

 

墓地の壁。

小さな破片がたくさんはめ込まれている。ナチスが破壊したユダヤ人のお墓の破片を、戦後、集めてこうして壁にしたのだそう。

 

 

悲しみの記憶に彩られながら、ツアーガイドの陽気な呼び込みがあちこちであって、のどかでのんびりした空気もある。
 

 

観光客はいるものの、一部をのぞけばどことなく閑散とした雰囲気が漂う。古くぼろい建物も多く、人が住んでるのかどうか判然としない。
静かで味わいのある場所だが、何を見ても、戦時中に起きたことが頭をよぎってしまう。

 

クラクフを訪れたら、ぜひ足を延ばしてみてください。旧市街からトラムでも行けます。