上司から「目標を達成するようがんばって」と言われると、その目標は現場感覚に合ってない、この人はなにもわかってない、と反発を覚えていたものでした。行きたい未来は同じ、つまり、価値観は同じはずなのに……。

その、「目標を達成する」という言葉自体が、価値観を表しているのだとは思い至っていませんでした。

目標達成、ビジョンの実現、自分を成長させる、行動計画を立てる。

仕事をしてると、毎日のように浴びせられるこうした言葉。自分に対しても使っていました。そういうものだと思っていたし、本当にそこに行きたい気持ちはある。

 

 

完璧 判断 影響 感謝 尊敬 自由 評価 貢献 存在 正確 結果 などなど、などなど。

見るだけで体温が上がってくる言葉もあれば、まったく惹かれない言葉もある。

「自分の価値観に沿った言葉で表した夢やゴールは、潜在意識が喜ぶので、モチベーションが上がります。」と本にあります。逆に、価値観に合わない言葉は潜在意識が嫌がる。
そんな言葉を浴びせられ続け、自分でも使い続けていたら、やる気は出ないし、失せるし、消耗していくばかり。

言葉は、行動も作っていきます。価値観に合わない言葉で語られるゴールに、価値観に合わないやり方で向かえと言われて、消耗しないわけがないのでした。それどころか、管理職だった時代、それを部下にも押し付けていた。言う方も言われる方も、気持ちが入らなかったのも無理はない。



@ wthen

『ザ・コーチ』は、物語仕立てで夢やゴールに向かうための考え方、向かい方を教えてくれる本です。自分に対しでもそうだし、チームメンバーや部下と向かっていく際のノウハウでもある。

それ以上に、わたしが受け取った一番のメッセージは、自分の価値観を大切にしていい、価値観に沿って生きていい、ということでした。それでしか、結局はゴールにはたどり着かない。

ゴールも自由なら、そこに向かう道も自由。自分の好きな、幸せを感じる道を選べばいい。どう歩くかも自由。自由、という言葉やイメージに惹かれない人は、別の言葉を選べばいい(そうです、わたしは自由という言葉が好き)。

コーチングセッションで、クライアントの使う言葉に着目することが大事と言われていたのも、理解できました。

ゴールへ向かってどう歩くか、も価値観そのもの。ゴールへのプロセスこそ大事だ、ということも、この本でようやく本当に理解したように思います。

自分のいまも未来も、自分の価値観に合った言葉で満たしてみよう。