ベトナムに滞在中、スーパーマーケットのレジをみると、パソコンがそのままレジスターになっている場合が結構ある。

最終的にはパソコンで売り上げを管理するのだから、あえて専用のレジを準備し、高額なシステムを導入し、レジスターとパソコンの複雑な入出力機能を開発する必要もない。

しかし、客からみたら使い勝手が悪い。
画面は客の反対側を向いており、私のような外国人だと、店員が話す合計金額を聴き取ることもできないので、結局、少し首を伸ばし、画面を覗き込む必要がある。

日本のようなレジスターを導入すればいいのにと思うのだが、やはりそこはコスト面やレジ専用機が入手困難だったりするのだろう。

そもそもベトナムではレジスター専用機の普及より、先にパソコンが普及したのではと思われる。
裏付ける数字はないから印象なのだが、今でも個人商店が多く、インフレの進行によりお金の価値も毎年変わってくるベトナムではレジスターの必要性があまり無かったと考えられる。

そして、最後に思うのは発展の過程が、違うのだと思う。

レジスター専用機が先に普及し、その後にパソコンが普及した日本では、レジスターの機能を改善し、進化させるのは自然な流れであった。
しかし、最初からパソコンが普及した場合は、なぜレジスターの専用機が必要であるか、理由がよくわからない。そこそこ使い勝手がよく、他にも色々利用でき、そしてコストが安いパソコンを使ってなんら問題は無いのだ。

すでに便利なものが存在している場合、またその便利なものしか知らない場合、なぜそれが便利なのか理解することはできない。

当たり前のことだが、発展の過程の違いが、この違いを生んでいるのだと思う。
別に悪いことでは無く、重要なのはその前提を意識して、物を見てくと新しいことにいろいろ気づくということである。

【アマツバメ】