いつもありがとうございます、

神戸です。

 

先日の夜から始まった

「ちょこっと勉強会」ですが、

かなり好評をいただいております。

 

まずは、7月にあと二回

開催していきますので、

情報を知りたい方は

こちらに登録しておいてくださいね。

 

傾聴の学校LINEです。

 

https://line.me/R/ti/p/@850ksmwy

 

さてさて、きょうのテーマは

疎外感です。

 

「私だけ、なんとなく

輪に入れない気がする…」

 

「みんなは楽しそうなのに、

自分はどこか浮いている」

 

「家庭でも職場でも、

なんだか“よそ者”みたいな

気がして苦しい」

 

こうした“疎外感”は、

誰しも人生のどこかで

味わうものです。

 

人間関係が表面的に

うまくいっているように見える人でも、

心の奥で

「本当は受け入れられていないかも」

と感じていることは

珍しくありません。

 

特に、家事や仕事、育児や

地域の付き合い…

忙しい毎日の中で、

ふとした瞬間に

「自分だけがここに“いない”みたいだ」

と感じてしまう方へ。

 

疎外感は決して

“心が弱い人だけのもの”では

ありません。

 

むしろ繊細さや

感受性の豊かさの裏返しでも

あるんです。

 

今回は疎外感が

どうして生まれるのか、

その正体をやさしく解き明かしつつ、

 

“疎外感と上手につきあう=

飼い慣らす”ための

具体的なアプローチを

お伝えしていきます。

 

一人で抱え込んでしまいがちな

「寂しい気持ち」を、

少しだけ自分の味方に

変えていけたら。

 

どうか、最後まで

お付き合いください。

 

 

  1. なぜ“疎外感”はこんなに苦しいのか?

 

疎外感。

 

それは“自分だけが

輪の外側にいる”という

心の感覚です。

 

たとえば…

 

・職場のグループLINEで

 自分だけ返信が遅れたとき

 

・ママ友同士の雑談に

 うまく溶け込めないとき

 

・パートナーや家族に

 本音を言えず、壁を感じるとき

 

・SNSで誰かの集まりの写真を見て、

 自分だけ誘われていないと

 感じたとき

 

こういう場面で、

胸の奥にチクリとした痛みや

“ひとりぼっち”の感覚が

よみがえる方も

多いのではないでしょうか。

 

心理学でも、

疎外感(アルエーション)は、

人間の“社会的なつながり”の

欲求が満たされないとき、

非常に強いストレスや

不安を生み出すとされています。

 

人は本能的に

「誰かとつながっていたい」

「集団に属していたい」

という欲求をもつもの。

 

このつながりが

脅かされたとき、

脳は“危険信号”を出します。

 

まるで「ここにいて大丈夫?」

と問いかけてくるように、

不安がふくらみやすくなるのです。

 

しかも厄介なのは、

この疎外感が“現実の孤立”と

必ずしも一致しない点です。

 

たとえば家族がいても、

友人がいても、

職場に居場所があっても——

 

「本当に受け入れられているか?」

 

「私だけ、ちょっと

 浮いているかも…」

 

そんな気持ちがぬぐえず、

自分だけ外れている感覚に

苦しんでしまうことがあるのです。

 

特に年齢を重ね、

環境が大きく変化したり、

親しい人との距離感が揺らぐと、

 

心の奥底に眠っていた

“孤独”や“寂しさ”が

顔を出しやすくなります。

 

誰にも話せない——

 

そんなつらさを感じているあなたへ。

 

まずは「疎外感を持つのは、

自分だけじゃない」ということを

知ってほしいのです。

 

 

  2. 疎外感は“消す”ものではなく、“飼い慣らす”もの

 

多くの人は、疎外感を

「早く消さなきゃ」

「なかったことにしたい」

と思いがちです。

 

けれど、実はこの感情を

“完全になくす”ことは、

とても難しいのです。

 

なぜなら疎外感は、

人間が「つながりを

大事にしている証拠」でも

あるからです。

 

疎外感があるということは、

「誰かと深くつながりたい」

「本当の意味で受け入れてほしい」

という“あたたかな願い”が

あるからこそ。

 

その気持ちを

無理やり押し殺してしまうと、

逆に心は硬く閉じてしまいます。

 

だからこそ、“疎外感を飼い慣らす”

 

つまり「感じても大丈夫」

「少しずつ上手につきあっていこう」

と、やさしく距離を取ることが

とても大切です。

 

心理学者タラ・ブラッハは、

「感情は押しのけたり、

否定したりするほど強くなる。

まず“そこにある”ことを認めると、

自然に和らいでいく」

と語っています。

 

疎外感もまた、“消す”のではなく、

“味方につけて”歩いていくもの。

 

ここからは、

そのための具体的なアプローチを

いくつかご紹介します。

 

 

  3. 疎外感を飼い慣らすための5つのステップ

 

1)疎外感を“ラベル付け”してみる

 

まずは、「私は今、疎外感を

感じているな」と、そっと

心の中で認めてみてください。

 

「なんだか寂しい」「みんなに

馴染めていない気がする」

その気持ちを否定せず、ただ

“ラベル付け”するだけで、

感情の波は少し落ち着いていきます。

 

これは「ラベリング」と呼ばれる

セルフケアの技術です。

 

UCLAのリーバーマン博士らの

実験では、感情を言葉で名付ける

だけで、ネガティブな刺激に

対する扁桃体の反応が低下し、

右側が活性化してこれを抑制する

ことが明らかになっています。

 

2)疎外感が湧いた“きっかけ”を優しく探る

 

「なぜ今、疎外感を感じて

いるんだろう?」

 

きっかけとなる出来事や、

思い出した言葉・雰囲気を

ゆっくり探ってみましょう。

 

もしかしたら、過去の似た体験——

たとえば小学校のグループから

外れた記憶や、家族との関係、

仕事での孤独感が影響している

かもしれません。

 

すぐに答えが見つからなくても

大丈夫。

 

“今の自分”がどこでつまずいているか

を知ることで、少しずつ距離を

とれるようになります。

 

3)「疎外感ノート」を作ってみる

 

もしよければ、小さなノートや

スマホのメモに、

 

・疎外感を感じた出来事

・そのときの気持ちや体の反応

・「本当はどうしてほしかった?」

 

などを書き出してみてください。

 

書くことにより、モヤモヤとした

感情を客観視でき、心の整理に

つながります。

 

ペネベーカーらの「表現的ライティング」

研究では、ストレスや感情的な

体験を書き出すことで、数か月後の

身体的・心理的な健康改善

(ストレス軽減、医療受診回数の

減少など)が確認されています。

 

さらに、自己理解が深まることで、

自己肯定感の向上にもつながる

可能性があります。

 

4)“安全なつながり”を再発見する

 

「自分はひとりぼっちだ」と

感じていても、必ず“安全な

つながり”がどこかにあります。

 

家族、昔からの友人、ペット、

地域の誰か——

 

もし「今すぐ誰も思い浮かばない」

というときは、過去に安心できた

瞬間や場所でもOK。

 

大事なのは、「世界中の誰もが

敵じゃない」「どこかに自分の

居場所がある」という“感覚”を

少しずつ取り戻していくことです。

 

ときにはプロのカウンセラーや、

オンラインのコミュニティでも

構いません。

 

あなたを丸ごと受け止めてくれる

“つながり”は必ず見つかります。

 

5)自分の中の“小さな一体感”を味わう

 

最終的には、誰かとの“外側の

つながり”以上に、自分自身と

“仲直り”することが大切です。

 

疎外感が強いときは、「自分を

認める」「自分の小さな幸せに

気づく」ことが大きな支えになります。

 

たとえば…

 

・朝のお茶をゆっくり味わう

・お気に入りの音楽を一人で聴く

・自分のためにお花を飾る

 

こんな“ひとり時間”でも「私って、

ここにいていいんだ」と感じられる

瞬間が増えていきます。

 

 

  4. 疎外感は「心のやわらかさ」の証。無理に追い払わないで

 

疎外感を「感じちゃダメだ」

「弱い自分だ」と

責めないでください。

 

むしろ、誰かと深く

つながりたい——

 

そう願う“やわらかさ”が

あなたの中に

ちゃんとある証拠なんです。

 

そして、疎外感は

“波”のようなもの。

 

激しくなったり

静まったりを

繰り返します。

 

無理にコントロール

しようとすると、

かえって苦しみが

大きくなります。

 

「いま私はちょっと

寂しい波に包まれて

いるんだな」

 

そうやさしく見守ることが

できたら。

 

いつのまにか、少しずつ

波は遠ざかっていきます。

 

疎外感に「ありがとう」と

つぶやく日がきたら——

 

それは自分自身と

本当に仲直りできた

サインかもしれません。

 

 

  5. 質問への回答

 

「いつもいただく

受講生からの質問、

相談者からの質問に

答えておきますね」

 

Q1. 疎外感を感じるのが

つらくて、人と距離を

置くようになってしまいます…

 

A1. つらいときは無理に

人と関わらなくても大丈夫。

 

まずは「一人で過ごしても

いいんだよ」と

自分を認めてあげてください。

 

ただし、孤独の“居心地”が

良すぎると、

ますます疎外感が強まることも。

 

少し元気が出てきたら、

小さな挨拶や短いLINEなど、

あなたのペースで

“ゆるいつながり”を

意識してみましょう。

 

Q2. 家族の中で

“自分だけ浮いている”気がして

苦しいです。どうすれば?

 

A2. 家族は最も身近な存在。

 

だからこそ、疎外感を感じたときの

痛みはとても大きいものです。

 

でも、家族だからといって

いつも心が通じ合っているとは

限りません。

 

「今は距離があるんだな」と

一歩引いてみると、

心が少し楽になります。

 

時には外のコミュニティや

信頼できるカウンセラーに

頼るのも、

 

“自分を守る大事な選択肢”です。

 

Q3. 友人や職場で

“自分だけ仲間外れ”にされていると

感じてしまいます…

本当に嫌われているのでしょうか?

 

A3. 疎外感が強いと

「全部自分のせい」

「私は好かれていない」と

感じてしまいがちですが、

 

多くの場合、相手は

それほど悪意を持って

いません。

 

人にはそれぞれ

事情や気分があります。

 

“事実”と“自分の思い込み”を

少し分けてみると、

 

「意外と普通に

接してくれているかも」と

気づけることもあります。

 

また、もし本当に

合わない相手なら、

 

無理に関わらず、

自分を大事にする選択もアリです。

 

 

  6. 疎外感とともに“本当のつながり”を見つける

 

疎外感を消そうとすれば

するほど、心はますます

「私はひとりぼっち」と

感じてしまいます。

 

だけど、疎外感は

あなたの“やさしさ”や

“誰かとつながりたい気持ち”の

裏返し。

 

この感情を“悪者”にせず、

「今の私の一部なんだ」と

受け入れてみてください。

 

そうすると、不思議なことに、

少しずつ「私はここにいても

いいんだ」と感じられるように

なってきます。

 

疎外感を飼い慣らすとは、

「感じても大丈夫」と

信じること。

 

そして、今ある小さなつながりや

自分の心、あなたを応援してくれる

人を少しずつ大切にしていくこと。

 

あなたは決して一人じゃない。

 

疎外感もやがて、あなたの優しさや

共感力の“翼”になって、

誰かを支える力に

変わる日がきっと来ます。

 

今日も、あなたの心が

少しでも軽くなりますように。

 

そして、これから先の毎日が、

もっと温かいつながりに

満ちていきますように。

 

いつも応援しています。

 

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本日もお読みいただき

ありがとうございました。

 

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