「バタバタと忙しい毎日のなかでも、心をそっと緩める時間を持てたらいいな……」。
そんなふうに感じることはありませんか?
仕事に家事に育児、人付き合いなど、やることがいっぱいで気づけば心がカチコチ。
けれど、たとえ少しだけでも “今、この瞬間” に意識を向けてあげると、
不思議なくらい心が温かくやわらかくなることがあります。
それが「小さなマインドフルネス」の魅力。
難しい瞑想や長い時間は必要ありません。
ほんの小さな習慣を生活の中に取り入れるだけで、
日常のなかに優しい呼吸とゆとりを生みだすことができるんです。
やるべきことが山積みだったり、人との関わりにちょっぴり疲れたりすると、
私たちの心はいつのまにかギュッと固くなりがちです。
朝起きるとすでに「今日も忙しいかも…」と憂うつになってしまう
仕事中や家事の最中、頭の中がごちゃごちゃで落ち着かない
いつもなら気にならないことにイライラしてしまい、自分に嫌気がさす
こんな経験、思い当たりませんか?
実は、頭や心が急ぎモードのまま突っ走ってしまうと、
私たち本来のやさしさやゆとりを忘れがちになるんです。
そんなとき、小さなマインドフルネスが支えになってくれます。
“マインドフルネス”という言葉を聞くと
「瞑想しなきゃ?」「静かに座って何分も…?」
とハードルを感じるかもしれません。
でも、日常のほんのわずかな時間を使うだけでも、
ふわっと心が解けていく感覚を味わえるんです。
“小さなマインドフルネス”とは
日常のささいな瞬間を意識的に味わうこと。
たとえば、朝のコーヒーを飲むひとときに目をとめ、深呼吸とともに香りを確かめる。
ちょっとした行き帰りの道すがら、足元のリズムや目に映る風景を感じとってみる――
それだけで、固くなっていた心に小さな隙間ができ、
温かいやわらかさが戻ってくることがあります。
大切なのは「今、この瞬間」をじんわり受け止めること。
難しいテクニックや長い時間は要りません。
あなたが心地よいと思えるペースで、やさしく心をいたわってあげましょう。
○目覚めたときに「おはよう、わたし!」と言ってみる
布団から出る前、目を開けたら自分の胸に手をあてて「おはよう」と小さくつぶやいてみます。
眠りの世界から今ここに戻る一瞬を、意識的に感じてみるのです。
眠気や身体の重さを「いまのわたしなんだね」と優しく抱きしめてあげるようなイメージです。
○ちょっとした合間に呼吸を眺める
朝食をつくる前の一呼吸、パソコンを開く前の一呼吸、エレベーターを待つ間の一呼吸――
それだけでも、忙しさの波の中で小さな島に着いたような安心感を得られます。
「吸っている」「吐いている」と、呼吸の流れをそっと見守るだけでOK。
○夜寝る前にやさしく今日を振り返る
「今日もお疲れさま、ありがとう」と、自分自身に声をかけてあげましょう。
うまくできたことだけでなく、「あのとき、ちょっとイライラしたね」と振り返るのも大切。
それもあなたの一部だとやわらかく受け止めてあげると、明日の朝が少し軽くなります。
マインドフルネスを続けるうえで、まず大事なのは“完璧を目指さなくていい”という考え方です。
あれこれ難しい瞑想をこなさなきゃと思うと、続けること自体がストレスになってしまいますよね。
だからこそ「たった数秒でも呼吸に意識を戻せたら、それだけで合格」というくらいの気楽さで始めてみてほしいんです。
もうひとつ大切なのは“ネガティブな気持ちとの付き合い方”です。
私たちはよく、イヤな感情をポジティブに変えようと頑張りすぎてしまうことがあります。
でも、マインドフルネスでは、その感情があること自体をやわらかく認めてあげるんです。
「いま、そんな気分なんだね」と受け止めてあげるだけで、不思議と心が落ち着いてくることがあります。
そして“心がほぐれると、ちょっぴり幸せに気づきやすくなる”というのも大きなポイント。
感謝や喜びといったやさしい感情が、少しずつ顔を出しやすくなるんですね。
自分のいいところ、周りの人のいいところを見つけられるようになって、
それがさらに穏やかなコミュニケーションへとつながっていきます。
それでは、ここで受講生の方から
よくいただく質問へと回答しましょう。
ぜひ、ご自分の参考にしてくださいね。
Q1. すぐに違うことを考えてしまうのですが…
A1. それが普通です。人間の思考は常にいろいろ動き回ります。
「考えがあちこち行ってるな」と気づいたら「今に戻ろう」とする、それだけで十分。
それをくり返すうちに、少しずつ意識が戻りやすくなります。
Q2. 1分ですら落ち着いていられません。どうすれば?
A2. 1分が難しければ10秒でも構いません。
「今ちょっと呼吸を感じよう」と思っても、バタバタするならそれもOK。
大切なのは「取り組もうとした自分」を肯定することです。
Q3. いつのまにか意識するのを忘れてしまいます…。
A3. 思い出せないときは、タイマーやスマホのリマインダーに一言メモを設定してみて。
「呼吸を思い出す」「足の裏」「お茶の香り」などのキーワードを見たら、
5秒だけマインドフルネスを行う――そんな工夫でも十分役立ちますよ。
最後に
忙しさに追われていると、つい心の声は後回しになりがちです。
だけど、たった数秒でも「今この瞬間」を意識してみるだけで、
あなたの心は不思議なほどホッと解け始めます。
大きな瞑想や特別なスキルはいりません。
「おはよう」と言う、深呼吸ひとつ、「足裏の感触」を確かめる――
そんな、小さな心がけの積み重ねこそが日々に優しい色合いをもたらしてくれます。
やわらかな心で日常を味わうと、同じ風景や人間関係が、
ずっとあたたかく感じられるはずです。
今日からぜひ「小さなマインドフルネス」、はじめてみませんか?
あなたの心が、より優しく深い安らぎを見つけられますように。
神戸より愛を込めて